大分県から松原ダムに関連する情報がありました。
松原ダムは同時に建設された下筌ダムとともに、昭和30年代前後、「蜂の巣城の闘い」という名のダム反対闘争で全国に知られました。「蜂の巣城の闘い」は当時の法律を駆使した山林地主の法廷闘争でも有名です。皮肉なことに、この闘争の結果、建設省は行政にとって有利な法改正を進め、このことが後に続く八ッ場ダム予定地の反対闘争などに大きな影響を及ぼすことになりました。
松原ダムと下筌ダムは、いずれも筑後川治水計画の一環として建設省が建設したダムです。
◆2017年3月30日 毎日新聞大分版
http://mainichi.jp/articles/20170330/ddl/k44/040/285000c
ー日田・松原ダム 迂回、清流バイパスを 市長に建設要望 大山川浄化運動 /大分ー
水質浄化運動に取り組んでいる日田市大山町の大山川清流復活推進実行委員会(松原忠雄委員長)は29日、松原ダム上流の杖立川からダムを経由しないで下流の大山川ぜき直下に流す清流バイパス建設を原田啓介市長らに要望した。住民1480人の署名を付けた。
松原ダムが完成して半世紀。九州電力に水利権を売った大山川は「水無し川」になり、環境汚染が進んだ。その後、増量を求めて長い住民運動の末、年間最大3160万トン(年平均毎秒1トン増)を勝ち取った。
だが、ダム底の汚泥の蓄積などで河川環境が悪化している。別水系の大山ダムでは既に清流バイパスが実現。高瀬川でも同じく新年度での具体化が決まり、「今度は懸案だった夢の松原ダム迂(う)回(かい)路を」という機運が高まったという。
構想では大山川右岸に延長5100メートル、直径2メートルの導管を敷設し、事業費は35億円の見込み。原田市長は「折りを見て国交省などと相談したい」と応じた。【楢原義則】