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国交省の”ダム再生ビジョン”による新規ダム事業

 国土交通省は6月27日に「ダム再生ビジョン」を策定 しました。
 http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo05_hh_000029.html

 このダム再生ビジョンに基づいて、来年度より雨竜川ダム(北海道)、矢作ダム(愛知県市)、早明浦ダム(高知県)について治水機能の増強を図る改修事業を始めます。
 現在、ダム建設予算は、直轄ダム、補助ダム合わせて年間2100億円程度あります。ダム建設業界を維持するために、ダム再生事業によってこのダム建設予算をキープしていこうということではないかと思います。

◆国交省ホームページ 報道発表資料 平成29年7月26日
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo05_hh_000033.html
ダム再生の推進
~「ダム再生ビジョン」策定後、初の新規事業採択に向けた手続きを開始~

 本年6月の「ダム再生ビジョン」策定後、初の新規事業採択に向け、新規事業採択時評価の手続きを開始します。

<ダム再生の新規事業候補箇所>
○ 雨竜川ダム再生事業 (北海道開発局)
○ 矢作ダム再生事業 (中部地方整備局)
○ 早明浦ダム再生事業 (水資源機構)

 関連記事を転載します。

◆2017年7月31日 リスク対策.com
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3398
ー早明浦など3カ所、かさ上げや放流設備増設ー

 国土交通省は27日、既存ダムの最大限有効活用をうたった「ダム再生ビジョン」策定後初のダム改修新規事業採択に向け、3件の手続きを開始すると発表した。雨竜川ダム(北海道雨竜郡幌加内町)、矢作ダム(愛知県豊田市、岐阜県恵那市)、早明浦ダム(高知県長岡郡本山町、土佐郡土佐町)。いずれも治水機能能の増強を図る。

 6月に国交省が策定した「ダム再生ビジョン」では厳しい財政制約の中、既存ダムの活用を推進。かさ上げによる貯水量拡大や放流設備の増設といった改修で、経済的に機能強化を行う方針を示している。

 雨竜川ダムでは第2ダムを2mかさ上げし、発電用の容量を洪水用に振り替え、洪水用の貯水量を増やすことで洪水による浸水被害の軽減を図る。矢作ダムは矢作川の改修に併せ、放流設備を増設。早めの放流で大雨の際のダムの貯水容量を確保し、治水を強化する。早明浦ダムも吉野川の改修に併せ放流設備を増設。さらに利水用の容量を洪水用に切り替え、洪水時の浸水被害軽減を図る。

 国交省ではまず道県から意見を聴取。その後に学識経験者などからなる第三者委員会から意見を聞き、評価結果をとりまとめ2018年度予算要求に反映させる予定。(了)リスク対策.com:斯波 祐介

◆2017年7月28日 四国新聞
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/locality/article.aspx?id=20170728000178
ー洪水対策で初改修へ 早明浦ダム 国交省方針、放流口増設 香川に負担や影響なしー

 国土交通省は27日までに、早明浦ダムの大規模改修工事の事業化に向けた手続きを開始した。治水対策としてダム本体に放流口を増設するなど、洪水調節機能を強化する計画で、同省の第三者委員会などで妥当と判断されれば、2018年度予算の概算要求に事業費を盛り込む方針だ。香川用水への供給など県内の利水に影響は生じない。

 徳島県と高知県の吉野川流域では過去に洪水被害が発生し、治水対策が課題となっていた。国交省は、早明浦ダムの改修による治水対策がコスト面などで最も効果的として事業を計画。実現すれば1973年の同ダム完成以来、初めての大規模改修となる。

 四国地方整備局によると、計画ではダムの堤に新たな放流口を増設する。現在の放流口よりも低い位置に設けることで、貯水位が低い時点で早めに放流を開始できるため、大型台風など大雨の際の柔軟な対応が可能となる。事業費は400億円規模となる見通し。同局は「香川県の地元負担はない」としている。

 放流口の増設に合わせ、同局は、大雨に備えたダムの空きスペース「洪水調節容量」を現状よりも1700万立方メートル増やす計画を検討中。これには貯水量を1700万立方メートル減らす必要があるため、徳島県の農業用水を700万立方メートル減らし、大雨の際に発電専用容量1千万立方メートルを事前に放流することで対応する。

 これら運用方法の変更を盛り込んだ吉野川水系河川整備計画の修正案について、8月8日まで四国4県で意見公募している。

 早明浦ダムの改修に関しては、09年に治水・利水両面を対象にしたダム再編事業の調査費が概算要求されたが、当時の民主党政権による公共工事の見直しなどで白紙化。今回は治水に絞った対策の事業化を目指しており、同局河川部は「香川用水の利水容量は一切変更しない。早明浦ダムの利水面でのより効率的な運用については引き続き検討していく」としている。