2005年3月21日 上毛新聞より転載
市民団体の八ッ場ダムを考える会は20日、学習会「八ッ場の地質を検証する」を中之条町のツインプラザ吾妻学習センターで開いた。土木技術者の矢部俊介さん、水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津暉之さん、下久保ダムを持つ鬼石町の関口茂樹町長らがパネリストになり、ダム建設に伴う諸問題について意見を交換した。
シンポジウムでは、周辺の地質が火山噴出物と浅間山の活動で発生した岩屑(がんせつ)なだれによる堆積物でできており、ダム水位の上部でも地すべりの危険性があると指摘。ダムサイトの岩盤も無数の亀裂が走りブロック化しているとして崩壊を危惧する解説があり、関口町長はダム建設前後の状況と譲原地区の地すべり対策などを説明した。
またダム完成時期への疑問や建設中止後の生活再建・地域振興策など前例を挙げ意見交換し、公共事業の在り方を考えた。