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「水没代替地 今年度中に分譲へ」(讀賣新聞群馬版)

2005年4月16日 讀賣新聞群馬版より転載

「代替地 今年度中に分譲へ 全5地区 国交省が方針」

 国土交通省八ッ場ダム工事事務所は15日、同ダム建設に伴い水没する長野原町住民の移転代替地について、2005年度中に対象の5地区すべてで分譲開始を目指す方針を明らかにした。
 同ダム建設では、同町の川原湯、川原畑、林、横壁、長野原の5地区で、地区内の全部または一部世帯が水没。05年度は各地区の移転先となる打越、三平、中棚・楡木、東・中村、一本松・幸神の各代替地で造成を進め、06年3月までに各地区で分譲を始める予定だ。代替地は新たに5か所で造成に着手し、国道145号線や県道、JR吾妻線の付け替えなどの関連工事を引き続き進める。

 ただ、代替地の分譲基準については、同省と5地区の住民代表でつくる連合交渉委員会との間で妥結に至っていない。交渉委は価格の引き下げを求めてきたが、同省は4月13日、さらなる価格引き下げはできないと回答。温泉街を抱える川原湯地区が依然として基準に難色を示しており、交渉が長引けば分譲開始時期がずれ込む可能性もある。

 実際に代替地に移り住む世帯数について、同省は現段階では未定だとし、交渉妥結後に意向調査を行って把握する考えを示した。