水没予定地の代替地価格を地元が受け入れ、「代替地交渉は正式に妥結」とのニュースがテレビ、新聞で流れてから、ほぼ1ヶ月。代替地交渉は未だに最終合意に達していません。
地元住民の生活を犠牲にしたダム事業の進め方は、下流の納税者にとっても無関心でいられる問題ではありません。
2005年6月16日 讀賣新聞群馬版より転載
「最終合意持ち越し 八ッ場ダム代替地基準 細部で詰めの調整」
長野原町の八ッ場ダム建設に伴う住民の代替地移転に伴う住民の代替地移転問題で、水没5地区の代替地分譲基準連合交渉委員会(萩原明郎委員長)は15日、分譲対象者や面積などの詳細を定める基準について協議した。対象者に既に転出している住民を含めることや限度となる宅地、農地の面積など基準の大筋は了承の方向となった。しかし、細部で詰めの調整が必要だとし、最終的な合意は持ち越した。
関係者によると、調整が必要とされたのは、代替地内に整備される共同墓地付設の道路。国土交通省は住民が購入することを求めているのに対し、住民側は共用部分は同省などが負担するよう要望する方針だ。
また、住民側は基準とは別に
①石垣やのり面部分を分譲価格に反映させない
②地滑り被害があった場合の補償
ーなどについて、同省に正式に文書で回答するよう求めることになった。
分譲対象者として、ダム事業に関連して過去に土地を売却し、すでに転出した住民にも分譲を認める方向で住民側と同省はまとまっている。ただし、住民の間で希望する区画が競合した場合は、現在も居住している人が優先的に分譲を受けられるようにするなどの規定を設ける。
分譲価格については、すでに住民側と同省との間で合意している。基準でも合意に達すれば、分譲希望者や移転場所、面積などを確定するための住民への意向調査が始まる。