2006年1月12日
八ッ場ダムを考える会では昨年11月18日、国土交通省、群馬県に対し、水没予定地の生活再建問題に関する公開質問書を提出しました。↓
https://yamba-net.org/wp/modules/news/article.php?storyid=165
ダム計画が始まって半世紀以上が経過していますが、地元住民の生活はダムの重圧によって破壊されたまま、一向に生活再建のメドがたっていません。昨年以来、注目が集まっているマンション偽装問題では、住民救済措置が素早く実施されようとしていますが、同じ国土交通省が、みずから遥かに甚大な被害を与えているダム予定地を放置しているのは何故でしょう?
質問書の回答期限は12月2日でした。群馬県県土整備局特定ダム対策課からは、遅ればせながら12月22日に回答が寄せられました。けれども、起業者である国土交通省からは未だに回答がありません。
期限を過ぎた当初、国交省現地事務所は回答が遅れる理由を、
「質問内容に過去に遡った項目があるため、調査に時間がかかっている」と説明。
その後、担当課の課長は
「代替地縮小案について、地元との交渉に人手をとられて遅れているが、年内には回答したい」と語りました。国交省と地元は12月中、代替地縮小案をめぐって交渉が難航し、特に温泉街のある川原湯地区とは「ドンパチやっている」(副所長談)状況が続きました。しかし、国交省のスケジュール通り、暮れも押しつまった27日に地元が縮小案を了承。翌28日には再意向調査票が住民に発送され、現地事務所はお正月休みに入りました。
さて、年が明け、担当課に再度問い合わせたところ、
「再意向調査の作業を行っているので、回答が遅れている」という説明です。
八ッ場ダムは当初、昭和40年代に完成するはずがズルズルと遅れ、未だに姿が見えてこない遅刻常習犯のような事業ですから、質問の回答が少々遅れるくらいでは、誰も驚きはしません。
けれども、自ら進めているダム事業に関する質問について、調査をするのに2ヶ月近くたっても答えが出せないというのは、幾らなんでも遅すぎます。遅れる理由は「地元との交渉」や、「意向調査の作業」ということですが、これらは現地事務所の仕事です。もしかして、仕事がある間は、国民に対する「説明責任」という仕事はすっぽかすつもりなのでしょうか?