2006年4月24日 上毛新聞より転載
午後十時半すぎ、長野原町大津の高山欣也氏の事務所に防災無線で開票速報が流れると、集まった支持者は当選を確信し、喜びを爆発させた。拍手で迎えられた高山氏は「私を知らなかった多くの皆さんが応援してくれ、当選を果たせた。決して期待を裏切らず、与えられた期間を精いっぱい尽くします」と深々と頭を下げた。
町長の重責を受け止め、終始緊張した面持ちの高山氏に、駆けつけた田村守町長は「町民を第一に思い、もっと笑って町政を頑張って」と激励した。
「継承」唱え幅広い支持
【分析】
新人同士の一騎打ちとなった長野原町長選は、前町教育委員長の高山欣也氏(62)が二千五百八十七票を獲得、会社社長の福嶋誠氏(54)を振り切り、初当選した。
投票率は79.99%(男78.34%、女81.61%)だった。当日有権者数は五千三百二十八人。
高山氏は「明るく元気で平和な町を」をスローガンに、町内全十地域で後援会活動を展開。現町政の継承を唱え、「里親制度の導入」などを独自の公約に掲げ、幅広い支持を得た。
福嶋氏は「路線転換で活力のある町」を目指し、若者や子育て世代の取り込みで町内全域からの集票を目指したが及ばなかった。
新町長にとっては、八ッ場ダム建設に伴う水没地区住民の生活再建や人口流出問題、行財政改革が課題となる。(吉田茂)