2006年9月28日 上毛新聞一面よりー
「県内の利根川 堤防の5割 強度不足 国交省 危険性否定も改善措置」
県内を流れる利根川(国直轄分)五八㌔のうち、少なくとも47・5%にあたる二七・六キロで、堤防の強度が不足していることが二十八日、国土交通省の河川堤防に関する安全性の全国調査(中間まとめ)で明らかになった。全国平均は36%。強度不足で内部に水がしみ込みやすく、増水すると堤防の外側に水が漏れ、決壊する「浸透破堤」の恐れもあるという。
県内は利根川で五八㌔のうち五二・一㌔の調査が終了し、調査済み区間に占める強度不足の堤防は52・9%に上った。利根川全体では調査済み三四三・一㌔(延長四二三・五㌔)のうち55%となっている。烏川と神流川は合計四七・七㌔中、8・8%の四・二キロが強度不足だった。国交省は「すぐに決壊に結び付くような危険性はない」として、過去の洪水発生場所や都市部で大きな被害が想定されるところを重点的に改善する方針。
国交省は今後、①盛り土で堤防幅を拡大②堤防斜面に遮水シートを張り、川の水の浸透を防止-などの措置を講じる。
調査は一-一・五㌔おきに堤防をボーリングし、河川ごとに想定される百年に一度の大雨に耐えられるかを基準に堤防内部や地盤の土質を調べた。砂や砂利が多いと水を通しやすく堤防の強度は低くなる。
二面よりー
「河川堤防 36%が強度不足 大雨で水漏れ 決壊の可能性 国交省が中間まとめ」
国土交通省は28日、国が管理する河川堤防の安全性調査の中間まとめを発表した。2005年度末までに調査済みの五千九百二十二キロのうち36%の二千百十三㌔は、強度不足で内部に水がしみ込みやすく、大雨などで増水すると堤防の外側に水が漏れ決壊する「浸透堤防」の恐れがあることが分かった。国交省は「すぐに決壊に結び付くような危険性はないが、過去に洪水が起きているところや都市部で大きな被害が想定されるところを重点的に改善したい」としている。
調査は〇二年度から開始。調査結果の公表は、〇四年に二千㌔
の河川のうち、四割で浸透破堤の危険性があると発表して以来
二度目。調査対象の一万二百四㌔のうち、58%の五千九百二十二㌔で調査が済み、〇九年度で完了する予定だ。
堤防の強度不足の割合を主な河川別でみると、利根川が調査済み三百四十三㌔のうち55%、淀川中下流は同百十一㌔のうち31%など。石狩川は下流の同四百五十三㌔は全区間で強度が十分だが、上流の同百五十九㌔は23%となっている。
これまでの調査で強度不足の判明した堤防で既に対策済みは全国で三十五㌔にとどまっている。国交省は今後①盛り土で堤防幅を拡大②堤防斜面に遮水シートを張り、川の水の浸透を防止ーなどの措置を講じる方針だ。