参院選を控え、市民団体では八ッ場ダム問題について、各候補者、政党にアンケートを送付しました。あわせて、群馬県知事選の立候補者にも、同様のアンケートを送付しました。以下、全文を掲載します。
〈八ッ場ダムに関するアンケートのお願い〉
八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会
〒102-0083 東京都千代田区麹町6-4 麹町ハイツ502
八ッ場ダムを考える会
〒371-0837 群馬県前橋市箱田町282-24
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
参議院選挙を控え、お忙しい毎日をお過ごしのことと存じますが、立候補者の具体的な政策を有権者に広く伝えるため、以下のアンケートにお答え下さるようお願いします。ご回答は、6月28日までにファックスでお寄せ下さい。なお、回収させていただいた回答につきましては、八ッ場あしたの会・八ッ場ダムを考える会のホームページに公開させていただきます。ご回答がない場合も、その旨公開することをご了承下さい。
〈解説〉
八ッ場ダムは1952年に計画が発表された国直轄の巨大ダム事業です。首都圏の都市用水の開発と洪水調節を目的とした八ッ場ダム建設には、国税のほか、首都圏一都五県(東京・千葉・埼玉・群馬・茨城・栃木)の公費が投入されてきました。しかし付帯工事にすでに2500億円以上の費用をかけながら、いまだに本体着工の目処が立っておらず、今後も巨額の公費が注ぎ込まれようとしています。
ダム予定地は利根川水系の吾妻川、群馬県の名勝・吾妻渓谷に位置します。800年の歴史を誇る川原湯温泉をはじめ、立ち退き世帯は400世帯を超えます。長びくダム事業に水没予定地域は疲弊の極に達しています。
八ッ場ダムの完成予定は2010年度ですが、工事は大幅に遅れています。2004年、国土交通省は八ッ場ダムの事業費を倍増し、全国のダム事業でトップの4600億円に増額しました。関連事業も含めた総事業費は6000億円です。しかし、工期の延長、事業費の再増額は必至の情勢で、関係都県では八ッ場ダム事業の必要性を疑問視する世論が年々高まっています。現在、一都五県の地方裁判所では「八ッ場ダム事業への公金支出は違法」として、住民訴訟が進行中です。
<質問>
当てはまるものを○で囲んで下さい。ご意見のある場合は、空欄にお書き添え下さい。
1.八ッ場ダム事業には問題があるとお考えですか?
問題がある 問題ない どちらとも言えない
2.八ッ場ダムは最初の計画発表から半世紀以上が経過しています。国民の血税を投入する公共事業においては、計画が社会状況にふさわしいかどうか、見直しが必要だとお考えになりますか?
見直しが必要 最初の計画をそのまま進めてよい その他
3.首都圏の水需要が10年ほど前から減少傾向に変わって、今や水余りの時代になっていることをご存知ですか?
知っている 知らなかった その他
4.八ッ場ダム計画と連動して、水質のよい自己水源である地下水を切り捨てる水行政が進められようとしていることをご存知ですか?
知っている 知らなかった その他
5.国では200年に一度の洪水に備えることを八ッ場ダム建設の目的の一つとしています。ところが国土交通省のシミュレーションによれば、最大級の洪水といわれるカスリーン台風(1947年)が再来しても、八ッ場ダムの洪水削減効果はゼロとなっています。八ッ場ダムの治水上の必要性について、どのようにお考えですか?
必要 疑問がある その他
6.八ッ場ダム予定地は、地質上の問題を抱えており、計画遅延の大きな理由とされています。大滝ダム(奈良県)、滝沢ダム(埼玉県)など、地質に問題があると指摘されながらダム建設を強行し、地すべりが発生して大きな問題になっているダムが全国にはいくつもあります。八ッ場ダム事業における地質の問題について、どうお考えになりますか?
災害誘発の危険があり計画の見直しが必要 問題はない その他
7.八ッ場ダム予定地の住民は長い年月、ダム計画に人生を翻弄されてきましたが、未だに生活再建の目処が立っていません。この状況について、どうお考えになりますか?
現在の生活再建事業で問題ない 早急に対策を講じるべき その他
8.現在、国は利根川水系の河川整備計画策定のための手続きを進めています。流域市民団体のネットワークである「利根川流域市民委員会」は、1997年の河川法改正の趣旨にのっとり、議論の場への住民参加を求めてきましたが、国土交通省はこの要望を拒否しています。国のこのような反動的な河川政策について、どうお考えになりますか?
今の進め方で問題ない 住民参加を認めるべき その他
アンケートへのご協力、ありがとうございました。