八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム5年延長

 八ッ場ダム工期延長を含む記者発表について、国交省関東地方整備局のホームページに掲載されました。↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/kisha/h19/0856.pdf

 工期が5年延長されれば、起債の利息が増えますから、自動的に事業費は増額になるはずですが、なぜか事業費は変更しないそうです。

国交省pdfより転載ー
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 群馬県吾妻郡長野原町に建設中の八ッ場ダムは、代替地計画やダム本体施工時間帯などを見直したことにより、事業工期を5年延長し、平成27年度末に変更することが必要となりました。
 事業費については、「コスト縮減委員会」の提言を受け、ダム本体のスリム化や橋梁の施工計画の見直し等のコスト縮減を図ることとしており、現在の事業費内で完了する見込みです。
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2007年12月13日 上毛新聞より転載
「八ツ場ダムの完成時期5年延長 代替地計画見直しで 国交省 15年度完成へ 生活再建への影響懸念
 
 国土交通省は、長野原町に建設中の八ツ場ダムの完成時期について、代替地計画の見直しなどを理由に、二〇一〇年度としてきたこれまでの計画を五年延長し、一五年度とする方針を固めた。近く水没地区住民に説明する。完成が延期されるのはダム本体部分。水没地区の生活再建事業は早急に整備を進める予定だが、これまでも完成年度が先延ばしされた経緯があるだけに、高齢化が進む水没地区住民の生活再建への影響が懸念される。 

 国交省は①水没住民の転出者が増えたことによる代替地計画の見直し②工事の騒音・振動対策として工事時間の制限が必要-などを理由に延期を決めたとみられる。

 工期延長による事業費の上乗せはせず、四千六百億円の現事業費内で完成させる。本年度末までに三千億円近くが執行予定で、現在は生活再建事業のほか、転流工など本体関連工事、道路・鉄道の付け替え工事などが行われている。

 八ツ場ダムは、当時の建設省が一九八六年に公表した基本計画で二〇〇〇年度完成としたものの、〇一年度に変更した基本計画で一〇年度に延長した。しかし、その後も代替地分譲が遅れるなど、完成年度が大きくずれ込むのは確実と見られていた。

 ダム建設計画の浮上以来六十年近くが経過。今回の再延長で完成年度も当初から十五年延びることになる。

 八ツ場ダム水没関係五地区連合対策委員会の萩原昭朗委員長は「代替地も道路も次々に遅れ、ダムの完成も当然遅れると思っていた。しかし、ここまで来てダムを造らないというのが一番困る。住民も高齢化しており、一日も早い完成を望んでいる」と話した。

 長野原町の高山欣也町長は「正式には聞いていないのでコメントできない。ただ工期が延びれば町の負担が増え、町政運営が厳しくなることは間違いない」と語った。

◆施設改修に利子補給 川原湯温泉へ県が支援策

 県は十二日の県議会県土整備常任委員会で、長野原町の八ッ場ダムに水没する川原湯温泉への支援策として、現施設改修費への利子補給や、経営コンサルタントを招いた勉強会を行う考えを明らかにした。
基金事業の新しいメニューとして、下流都県に事業費の拠出を 要請する。

 現在の川原湯温泉は、代替地への移転が決まっているため、大規模な設備投資ができない状況。しかし、経営上、トイレ、水回りをはじめ、最低限の改修が不可欠なことから、金融機関から設備投資費を借り入れた場合、利子分を公費負担する。

 また、代替地移転という大きな環境変化を挟んで経営を維持するための情報やノウハウの提供も必要と判断。コンサルタントや観光分野の有識者らを講師にした勉強会を開く。

2007年12月13日 毎日新聞群馬版より転載
「八ッ場ダム建設予定地 県が水没住民を支援へ」

 県は12日、長野原町に建設予定の八ッ場ダムに水没する川原湯温泉の住民に対し、観光客誘引などの生活支援策を明らかにした。来年度予算案に約1000万円を計上する見通しで、水没地区住民への支援は初。
 県議会県土整備常任委員会で、角倉邦良氏(スクラム群馬)の質問に特定ダム対策課が答えた。

 住民の多くが移転する代替地の打越地区は、国道145号の付け替え工事が進まず、整備が周辺5地区のうち最も遅れている。高齢化のため生活再建を断念し閉鎖する旅館も多く、住民は国や県に支援を要請している。

 支援は温泉街の活性化を柱に、イベントなどを通じた交流がある埼玉県、東京都、千葉県との関係強化を図る。同温泉に定期的に誘致するための催事を企画するほか、旅館の経営コンサルタントを呼び、旅館主やおかみの研修会などを実施。観光客増加に向け温泉街全体のマナーアップを進める。

○第一歩に過ぎず方策も見えず
 同温泉観光協会の樋田洋二会長が「これまで何もしてくれなかった県が動いたのは評価できるが、支援の第一歩に過ぎない。生活再建の方策はまだ何も見えていない」と話している。【伊澤拓也】