八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

ストップさせる会、千葉県知事に申し入れ

 国土交通省が八ッ場ダム工期を五年延長するとの見通しを発表したことを受け、このほど八ッ場ダムをストップさせる千葉の会は、堂本暁子千葉県知事に対して要望書を提出しました。回答期限は、30日以内です。

千葉県知事 堂本暁子 様
2007年12月28日

                     八ッ場ダムをストップさせる千葉の会代表   
                     中村春子
                     村越啓雄
   
    要 望 書「八ッ場ダム工期5年延長に伴う問題について」

 私たちは、八ッ場ダムはむだであり千葉県はこの事業から撤退するべきである、として1300名によって住民監査請求した千葉県民です。

 国土交通省は12月13日、八ッ場ダム事業について、工期の変更が必要になったとして工期を5年間延長し、完成の時期も2010年度から2015年度にずれ込まざるを得ない、との見通しを公表しました。
 工期の変更は2回目で、あらたな工期によれば、当初計画から15年、供用が遅れることになります。
 八ッ場ダム事業は1986年に策定され以来20年が経過し、事業の内容は工期の変更、経費の2,110億円から4,600億円への増額と変遷してきました。
 一方、千葉県にとって八ッ場ダム事業を必要とした治水、利水での条件は、この30年間は大きな変革の時期であり、特に利水について、農地の減少、県人口の減少、節水機器の進捗、産業構造の変革など、農業用水、工業用水、水道用水のどれをとっても減少傾向が確認されています。
 このような背景の中で、完成工期の5年延期の決定は、千葉県政にとって、無視することは出来ない条件の変更であると考えます。
 完成予定時期、2015年度とは、千葉県の人口は減少に転じており、節水意識の高まりと併せて利水増の必然性は将来とも解消している時期に当たり、八ッ場ダムの必要性は全くないこととなります。
 また、工期の延伸は、管理費など工事費が増大するのは必然であり、また、地元、長野原町は新たな生活環境対策費を下流都県に要請したいと述べた、むね報道され、千葉県に求められる八ッ場ダム関連経費は、千葉県の置かれた財政状況の中で、千葉県民の負担できる財政能力を超えることも懸念されます。
 よって、以下について要望します。
 回答は、30日以内に文書をもって行われるようお願いします。

                記

1.事業再評価を、新たな条件のもとで実施すること。

2.事業再評価は、公募による複数の県民を含めた外部委員により、県民に公開された会議によって結論をうるものであること。

3.国土省との協議は、以上の条件が整って後、実施すること。                 以 上