八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダムを考える1都5県議員の会発足

2008年5月20日 新聞各紙朝刊より転載

◆朝日新聞社会面
「八ッ場ダム 考える会」

 建設計画から半世紀たっても本体工事にとりかかれず、必要性を疑問視する声が強い群馬県の八ッ場(やんば)ダムについて、事業費を負担する1都5県の都議や県議約60人が19日、必要性の検証や事業を監視する目的で超党派の会を結成した。同ダムをめぐり、こうした組織ができるのは初めてという。
 同日あった総会では、代表世話人の関口茂樹・群馬県議(リベラル群馬)が、「下流の都県に巨額の税負担を課し、かけがえのない自然を傷つけるダムが必要か、連携し徹底検証すべきだ」と訴えた。事業の見直しを前提に国への要望などを
行う。ダム関連の総事業費約4600億円のうち、下流都県の負担は約2500億円。

◆毎日新聞社会面
「群馬・八ッ場ダム建設:自民・埼玉2県議も検証会に参加 見直し機運高まりも」

 群馬県長野原町に建設中の八ッ場(やんば)ダムの必要性を超党派で検証する「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」が19日発足し、自民党からも埼玉県議2人が名を連ねた。ダムは計画から半世紀以上が経過し、本体は着工していない。建設推進の与党からの加入で、建設見直しへの機運が高まる可能性がある。
 会は群馬の野党系県議6人が事業費を負担する下流5都県議に呼び掛け約60人が入会。自民党埼玉県議は結成会に欠席したが、1人は「公共事業が盛んだった時代の置き土産。見直せるかどうか知りたかった」と話した。

 自民党はダム推進の立場。会には当初、自民党都議2人も入会したが「推進派の会合と間違えた」として退会届を出した。                       【伊澤拓也】

◆読売新聞群馬版
「八ッ場徹底検証決議1都5県議員の会 60人参加」

 長野原町に国によって建設中の八ッ場ダムのあり方を検討する「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」が19日、各都県会議員約60人が参加して結成された。同日、東京都内で開かれた会合には、うち35人が出席し、下久保ダムがある旧鬼石町(藤岡市)の元町長関口茂樹県議(藤岡市区)を代表世話人に選出。今後、会として八ッ場ダムの必要性について徹底検証を行うことなどを決めた。

 同会には、ダム事業費を支出している群馬(14人)、東京(20人)、埼玉(12人)、千葉(12人)、栃木(1人)、茨城(2人)の各都県議会議員が参加。事業見直しを訴える民主、共産両党系などの議員が大半だが、埼玉からは事業推進の立場をとる自民県議も名を連ねた。ただ、自民都議2人が同日、脱会の意向を示すなどの動きがあり、最終的な人数は確定していない。この日の決議では、会の目的として〈1〉必要性の検証〈2〉事業の実態調査や監視〈3〉水没住民の生活再建支援――の3項目を列挙。7月下旬にも、会として建設予定地を視察し、住民らから聞き取りも行うことを決めた。

 会議後、関口県議は「事業は必要性を喪失しており、国の説明にも矛盾がある。今は各議員でそれぞれの立場があるが、現地を視察するなど検証を進めれば、今後、会全体として建設を見直すべきという方向になるだろう」と話した。

 また、出席した松下玲子都議(民主)は、「私も先の定例会の委員会で質問したが、都議会でも見直しの機運が高まっている。国のいいなりになるのでなく、こうした会も活用し、都県が連携して検証していくことが大切だ」と話していた。

◆毎日新聞群馬版
八ッ場ダム建設:「1都5県議の会」発足 要綱に「事業の監視」明記

◇建設見直し視野 国会議員と連携も
 八ッ場ダム(長野原町)の必要性などを検証するため発足した「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」は、19日の結成会で要綱に「事業の監視」を明記した。将来的な目標としてダム建設の見直しを視野に入れつつ国会議員とも密接に連携を図り、本体工事の中止や水没地区住民の生活再建に関する法律の議員立法などを目指す考えだ。

 会の冒頭、代表世話人を務める群馬の関口茂樹氏が「保守王国の群馬ではダム批判がタブー視されている。八ッ場を検証するネットワークが広がれば大きな力になる」とあいさつ。議事では千葉の男性県議が「会の目的に『工期の延長と事業費増額をさせない』という積極的な姿勢があってもよいのでは」と主張、要綱に「事業の監視」が加わった。

 ダム事業は国策のため国会議員との連携も不可欠とし、昨年、八ッ場の視察に訪れた「公共事業チェック議員の会」(会長=鳩山由紀夫・民主党幹事長)との協力体制を強化していく考えだ。

 今後は事務局(局長=角倉邦良・群馬県議)を群馬に置き、各都県に連絡係を設ける。第2回会合は現地・長野原町で視察を兼ねて行うことも決まった。

 こうした動きに対し、大澤正明知事は19日の記者会見で「県としては現地の生活再建が最優先。そのために一日も早い完成を期待したい」と述べた。【伊澤拓也】

◆朝日新聞群馬版
「八ッ場ダム 6都県議が会結成」

 国営八ツ場ダムについて疑問を持つ6都県議が19日、都内で「八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会」の結成総会を開いた。35人が出席し、今後、ダムの必要性の検証や事業の実態調査と監視などにあたることで合意した。将来的にはダム事業の見直しも視野に入れ、実現した場合の地元の生活再建の必要性についても下流都県の理解を得るため、6月議会終了後にも会として現地を視察する。

 群馬県議の有志の呼びかけに応じる形で、18日時点で計61人(東京20人、群馬14人、埼玉12人、千葉12人、栃木1人、茨城2人)が入会。民主党系会派所属の議員が最も多いが、自民党系の議員もいる。群馬からは「八ツ場ダムを考える群馬県議の会」の5会派14人が入会し、6人が出席した。

 結成総会では、会の活動方針の大枠を定めた「要綱」について議論。各都県に事務局と世話人を置くことも決めた。

 代表世話人に選ばれた関口茂樹県議(リベラル群馬)は「無駄な公共事業があってはならない。必要性を検証するネットワークをつくれば大きな力になる」と呼びかけた。

 会派や地域の異なる議員たちが今回結集したのは、「ダムの必要性の検証」という旗印の下だ。ただし、活動の間口を広げる狙いから、現時点では、活動の要綱は、「事業の見直し」はもとより「見直し後の生活再建支援のための法の整備」まで踏み込んでいない。角倉邦良県議(同)は「一人でも多くの人に八ツ場の問題を知ってもらい、議論すれば、おのずと見直しの方向に行くだろう」との見通しを示す。

 八ツ場ダムは1952年に計画が浮上。2015年度が完成予定だが、本体工事は未着工だ。総事業費4600億円のうち、下流都県も受益の度合いに応じて計2493億円を負担することになっている。総事業費は、昨年末に国が工期の5年延長を発表したことを受け、さらに膨らむ可能性もある。公共事業見直しの機運が高まる中、下流都県の議員も議会で取りあげたり、現地を訪問したりしている。国営八ツ場ダムについて疑問を持つ6都県議が19日、都内で「八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会」の結成総会を開いた。35人が出席し、今後、ダムの必要性の検証や事業の実態調査と監視などにあたることで合意した。将来的にはダム事業の見直しも視野に入れ、実現した場合の地元の生活再建の必要性についても下流都県の理解を得るため、6月議会終了後にも会として現地を視察する。

 群馬県議の有志の呼びかけに応じる形で、18日時点で計61人(東京20人、群馬14人、埼玉12人、千葉12人、栃木1人、茨城2人)が入会。民主党系会派所属の議員が最も多いが、自民党系の議員もいる。群馬からは「八ツ場ダムを考える群馬県議の会」の5会派14人が入会し、6人が出席した。

 結成総会では、会の活動方針の大枠を定めた「要綱」について議論。各都県に事務局と世話人を置くことも決めた。

 代表世話人に選ばれた関口茂樹県議(リベラル群馬)は「無駄な公共事業があってはならない。必要性を検証するネットワークをつくれば大きな力になる」と呼びかけた。

 会派や地域の異なる議員たちが今回結集したのは、「ダムの必要性の検証」という旗印の下だ。ただし、活動の間口を広げる狙いから、現時点では、活動の要綱は、「事業の見直し」はもとより「見直し後の生活再建支援のための法の整備」まで踏み込んでいない。角倉邦良県議(同)は「一人でも多くの人に八ツ場の問題を知ってもらい、議論すれば、おのずと見直しの方向に行くだろう」との見通しを示す。

 八ツ場ダムは1952年に計画が浮上。2015年度が完成予定だが、本体工事は未着工だ。総事業費4600億円のうち、下流都県も受益の度合いに応じて計2493億円を負担することになっている。総事業費は、昨年末に国が工期の5年延長を発表したことを受け、さらに膨らむ可能性もある。公共事業見直しの機運が高まる中、下流都県の議員も議会で取りあげたり、現地を訪問したりしている。