八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

シンポジウム「ダムに負けない村」第二弾ー9/15(祝)

ダムに負けない村 第二弾ー 八ッ場から地域の再生を考える

◆日時:2008年9月15日(祝)午後1時~4時45分(12時30分開場)

◆会場:東京大学弥生講堂一条ホール

○コーディネーター:森 まゆみ(作家、地域雑誌「谷根千」編集人)

○パネリスト:
 阿武野 勝彦(東海テレビ放送ディレクター)
  大和田 一紘(NPO法人多摩住民自治研究所副理事長)
  佐藤 守正(新潟県湯沢町会議員)
  神野 直彦(東京大学大学院経済学部教授)
 関口 茂樹(群馬県議会議員)ほか (あいうえお順、敬称略)

 八ッ場ダムは1952年に最初の構想が発表された、首都圏最後の巨大ダム事業です。
 1950~60年代に計画されながら、ずるずると事業が長期化しているダム計画は今も全国各地にあります。これらの計画は、社会状況の変化の中で必要性が失われ、時代遅れのムダな公共事業の典型として批判されているにもかかわらず、ブレーキを失った暴走機関車のように走り続けています。
 この間、水没予定地とされた地域は、どうせ水没するのだからと社会投資の枠外とされ、地域自立の道を閉ざされてきました。ダム問題が地域にクサビを打ち込んだことによって、人々の共同体が崩壊し、ダム関連工事で自然も大きく損なわれてきました。このような状況に下流住民が関心をもつことはほとんどなく、地元は孤立した中で今も先行きの見えない苦しい日々を送っています。
 「地方の犠牲のもとに、都市を繁栄させる」ーダム計画の根底にあったこの発想は、私たちの社会に何をもたらしたのでしょうか? かつて農林業で活気のあった地方は、今では過疎化に苦しみ、公共事業以外ではほとんど雇用の場をみつけられない状況です。地方の衰退が極まるとき、地方に支えられてきた都市はどうなるのでしょうか? 
 八ッ場ダム問題の最終的な解決をめざす八ッ場あしたの会では、水没予定地と下流首都圏が共生する道を探ってきました。昨年のシンポジウムでは、八ッ場ダムの半世紀の歴史を踏まえ、水没予定地を再生させる知恵を出し合いました。
 今年も八ッ場ダムの関連工事は続き、自然の喪失と人びとの疲弊はますます深刻になっています。そこで私たちは、具体的な検証をもとにシンポジウム第二弾を企画し、昨年のシンポジウムにおける問題提起をさらに深めたいと考えました。過去を乗り越え、希望を見いだすために、多くの皆さんの叡智を結集したいと思います。

~プログラム~
ビデオ上映―永六輔さん、澤地久枝さん、加藤登紀子さんの現地めぐり

基調講演 「ダム問題から検証する“地域の再生”」(仮題)  講師:神野直彦さん

第一部 「ダム計画が地元にもたらすもの」
•群馬県長野原町―八ッ場ダム予定地を抱える町の財政は?
•新潟県湯沢町― 清津川ダムが中止された地元では?
•熊本県五木村― 本体着工が凍結されている川辺川ダム予定地では?
•岐阜県旧徳山村―わが国最大の徳山ダムが建設された地域の人びとは?

第二部 「脱ダムと地域の再生― 八ッ場ダム問題を解決するために」
•代替地計画の実態
•ダムが止まった時― 地域再生への道筋と課題
•長年の地元の損失と、それに対する補償
•首都圏下流が水没予定地の再生を支援するには

参加費:1,000円
申し込み:予約をお願いします。下記メールフォームにて、お名前(フリガナ)、ご住所をお知らせ下さい。↓
https://yamba-net.org/wp/modules/formmail/index.php?id_form=1

懇親会:要予約。会費2500円を予定しています。

~登壇者プロフィール~
◆ 神野 直彦(じんの なおひこ)
1946年埼玉県生まれ。東京大学大学院教授(経済学)。日産自動車(株)勤務を経て96年より現職。専門は財政学、地方財政論。税制調査会委員、国土審議会委員などを務める。『人間回復の経済学』、『地域再生の経済学』など著書多数。

◆ 森 まゆみ(もり まゆみ)
1954年東京生まれ。作家、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』編集人。著書に『とり戻そう 東京の水と池』、『「谷根千」の冒険』、『鴎外の坂』、『一葉の四季』、『東京遺産―保存から活用、再生へ―』、『彰義隊異聞』『自主独立農民という仕事』ほか多数。

◆ 阿武野 勝彦(あぶの かつひこ)
1959年静岡県生まれ。東海テレビ放送ディレクター。岐阜県の徳山ダムでふるさとを失った人々を描いたドキュメンタリー『約束~日本一のダムが奪うもの』、裁判所の内側を描いた『裁判長のお弁当』などが高く評価され、2008年放送人グランプリなど受賞多数。

◆ 大和田 一紘(おおわだ いっこう)
1943年青森県生まれ。都留文科大学講師、NPO法人多摩住民自治研究所副理事長などを務める。専門の環境政策、地方自治、地方財政の分野で、『人とくらしと自然』、『習うより慣れろの市町村財政分析』など著書多数。

◆ 佐藤 守正(さとう もりまさ)
1937年新潟県生まれ。小学校教員退職後、ふるさとの湯沢町議会議員3期目。湯沢町に1966年に建設が計画され、2002年に中止された清津川ダム問題に取り組む。ダム建設推進の議会にあって、反対を主張するただ一人の議員であった。

◆ 関口 茂樹(せきぐち しげき)
1946年群馬県生まれ。利根川水系の下久保ダムを抱える旧鬼石町の町長を5期19年務め、2007年より群馬県会議員。2008年、八ッ場ダムを考える群馬県議会議員の会、八ッ場ダムを考える一都五県議会議員の会を旗揚げ、代表世話人を務める。

<会場への交通のご案内>
東京大学弥生講堂一条ホール(tel/03-5841-8205)
〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内↓
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/yayoi/map.html