2009年1月29日、参議院議員の大河原雅子氏(民主党)により、「利根川水系河川整備計画と八ッ場ダム建設事業に関する質問主意書」が提出され、2月6日、麻生太郎総理大臣より江田五月参議院議長宛に内閣答弁が出されました。質問主意書、および内閣答弁は、参議院のホームページに掲載されています。
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●http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_c03_01.htm
「質問主意書」本文
●http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_c03_01.htm
「内閣答弁」本文
■「質問主意書」、「内閣答弁」より八ッ場ダム事業に係る部分を抜粋します。
二 八ッ場ダム事業について
1 ダム本体工事について
【質問本文】
(一) 平成二一年度後半から予定されている八ッ場ダム本体工事の入札公告が一月九日に行われた。しかし、来年度予算も決まっていない段階で、しかも、九ヶ月以上先の工事の入札公告をなぜ一月時点で行ったのか。一月時点で入札公告を行った理由を説明されたい。
【答弁本文】
御指摘の「入札公告」については、今後の工事工程等を考慮して、平成二十一年一月九日に行ったものである。
【質問本文】
(二) 予算が決まっていない段階で、ダム本体工事の入札公告を行った他のダム事業の例があれば、そのダム名と入札公告、入札締め切り、本体工事開始のそれぞれの年月日を明らかにされたい。
【答弁本文】
お尋ねの「ダム本体工事」及び「本体工事開始」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、例えば、平成二十年度予算にダム本体建設工事(ダム堤体の工事を含む工事をいう。以下同じ。)の事業費が初めて計上された湯西川ダムのダム本体建設工事にあっては、入札公告日が平成十九年十二月二十五日、入札日が平成二十年七月十八日、契約締結日が同月二十八日である。
【質問本文】
(三) 最近二〇年間においてダム本体工事に着手した直轄ダム事業それぞれについて、ダム本体工事の入札公告、入札締め切り、本体工事開始のそれぞれの年月日を明らかにされたい。
【答弁本文】
お尋ねの「ダム本体工事に着手した」及び「本体工事開始」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、国土交通省が施工したダム及び施工しているダム(昭和六十三年度以降にダム本体建設工事の契約を初めて締結したものに限る。)のダム本体建設工事の契約等については、関係する資料の保存期間が経過しているものもあることから、網羅的にお答えすることは困難であるが、これらのダム本体建設工事の入札公告日、入札日及び契約締結日について、現時点において把握している限りでお示しすると、それぞれ次のとおりである。
忠別ダム 平成五年十二月十六日 平成六年三月一日 平成六年三月十五日
摺上川ダム 平成六年九月八日 平成六年十二月十二日 平成六年十二月十三日
苫田ダム 平成十年十二月三日 平成十一年二月二十五日 平成十一年三月二日
長井ダム 平成十一年十二月三日 平成十二年三月二十一日 平成十二年三月二十四日
灰塚ダム 平成十二年十二月十一日 平成十三年三月二日 平成十三年三月五日
森吉山ダム 平成十三年十二月五日 平成十四年三月二十二日 平成十四年三月二十七日
留萌ダム 平成十三年十二月十二日 平成十四年二月二十一日 平成十四年二月二十一日
横川ダム 平成十四年十一月二十二日 平成十五年二月二十八日 平成十五年三月十日
志津見ダム 平成十五年十一月二十一日 平成十六年三月十二日 平成十六年三月二十二日
胆沢ダム 平成十六年七月二日 平成十六年九月二十八日 平成十六年十月十二日
嘉瀬川ダム 平成十六年七月十四日 平成十七年一月二十七日 平成十七年二月三日
尾原ダム 平成十七年六月二十八日 平成十八年二月二十七日 平成十八年三月二十三日
夕張シューパロダム 平成十七年十月二十五日 平成十八年三月六日 平成十八年三月三十日
殿ダム 平成十八年七月十一日 平成十九年一月二十二日 平成十九年二月二十一日
湯西川ダム 平成十九年十二月二十五日 平成二十年七月十八日 平成二十年七月二十八日
津軽ダム 平成十九年十二月二十五日 平成二十年八月二十六日 平成二十年十月六日
【質問本文】
(四) 本体工事の入札公告によれば、工事内容として、ダム土工約六〇万立方メートル、堤体工約六〇万立方メートル、基礎処理工約一万八千立方メートルの数字が示されている。一方、平成一九年一二月の関東地方整備局事業評価監視委員会の資料によれば、ダム本体のコンクリート量九一万立方メートル、基礎掘削量六八万立方メートルとなっており、数字が対応していない。両者の数字の関係を明らかにされたい。
【答弁本文】
御指摘の「入札公告」に当たってダムの詳細な設計を行ったこと及び御指摘の「入札公告」の工事内容は八ッ場ダムの完成に必要なすべての工事を含むものではないことから、御指摘の「数字」が異なっているものである。
なお、平成十九年十二月に開催された関東地方整備局事業評価監視委員会の資料には、「基礎掘削量六八万立方メートル」との記載はない。
【質問本文】
(五) 本体工事は来年度後半から着手し、平成二七年度までに完成するとされている。このスケジュールにおいてダム本体工事は各年度にどのような段階を進んでいくのか、各年度で予定されているダム本体の工事段階を具体的に示されたい。
【答弁本文】
一級河川利根川水系吾妻川の仮締切の工事を平成二十一年度に開始する予定であり、当該工事の完了後、平成二十四年度に八ッ場ダムの本体となるコンクリートの打設(以下「本体打設」という。)を開始し、平成二十七年度に本体打設を完了する予定である。
【質問本文】
(六) 右記の各段階のダム本体工事を進めるに当たって、ダムサイト予定地を通過する現国道はいつまで使用できるのか、現国道を使用できなくなるダム本体工事の段階を明らかにされたい。
(七) 右記の各段階のダム本体工事を進めるに当たって、ダムサイト予定地の近傍を通過する現鉄道はいつまで使用できるのか、現鉄道を使用できなくなるダム本体工事の段階を明らかにされたい。
【答弁本文】
二の1の(六)及び(七)について
一般国道百四十五号の付替道路のうち先行して二車線で完成予定のもの(以下「二車線の付替国道」という。)及び東日本旅客鉄道株式会社吾妻線の付替鉄道については、平成二十二年度末までに付替工事が完了する予定であり、工事完了後は、お尋ねの「現国道」及び「現鉄道」は一般の用に供されなくなるものと考えている。
【質問本文】
(八) 右記の各段階のダム本体工事を進めるに当たって、ダム水没予定地の住民はいつまで居住することができるのか、ダム水没予定地での居住が困難となるダム本体工事の段階を明らかにされたい。
【答弁本文】
八ッ場ダム建設事業に係る代替地については、平成二十一年度末までにおおむね造成が完了する予定であること及び造成が完了したものから順次分譲を開始していることから、「ダム水没予定地の住民」の移転は、本体打設を開始するまでにおおむね完了していることを予定している。
【質問本文】
2 付替国道等の関連工事について
(一) 八ッ場ダム関連工事として付替国道の工事が進められているが、この工事進捗率について平成二〇年六月三日の政府答弁書(内閣参質一六九第一三一号)では、「既に完成した区間及び工事に着手している区間の延長とその全体に対する割合は、平成十九年度末現在、二車線の付替国道が約五・七キロメートルで総延長約十・八キロメートルの約五十二パーセント」と回答しているが、このうち、既に完成した区間のみの付替国道の距離数を明らかにされたい。
【答弁本文】
お尋ねの「既に完成した区間」の延長は、平成十九年度末現在、約六百メートルである。
【質問本文】
(二) 付替国道の用地予定地において未買収のところがあると聞く。総延長約一〇・八キロメートルの付替国道のうち、未買収の距離数とその買収予定年度を明らかにされたい。
【答弁本文】
お尋ねの「未買収の距離数」については、多数の未買収の土地と買収した土地が混在しており、未買収の距離を正確に算定するためには膨大な作業が必要となることから、お答えすることは困難である。また、二車線の付替国道については、平成二十二年度末までに工事を完了し、平成二十三年度当初の供用開始を予定しており、この供用に向けて必要となる用地の買収を進めていくこととしている。
【質問本文】
(三) 右記の政府答弁書では「二車線の付替国道は平成二十二年度末までに(中略)工事が完了すると見込んでいる」と回答しているが、この予定完成時期まであと二年少ししかなく、平成二十二年度末までに付替国道の完成は到底無理であって、工期を大幅に延長せざるを得ないと考えられる。この工期の大幅な遅れに対して、どのような対策をとるのか、その内容を明らかにされたい。
【答弁本文】
御指摘のように「工期を大幅に延長せざるを得ない」とは、現時点では考えていない。
【質問本文】
(四) 右記の政府答弁書では、付替国道について「平成二十二年度末までに二車線での工事を完了し、平成二十三年度当初の供用開始を予定している。四車線化の時期及びトンネル部分と橋梁部分の構造については、二車線での供用開始後、交通の状況に応じて検討することとしており」と回答している。仮にその検討の結果、四車線化を進めるとしても、ダム事業の完成予定時期までは六年強しかなく、その短い年数で付替国道をトンネル部分や橋梁部分も含めて四車線化にするのはまったく不可能である。もし四車線化の可能性があるとすれば、どのような方策によって可能となるのか、その方策の具体的な内容を明らかにされたい。
【答弁本文】
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一般国道百四十五号の付替道路の四車線化については、前回答弁書(平成二十年六月三日内閣参質一六九第一三一号)五の5及び6についてで述べたとおりである。
【質問本文】
(五) 付替国道の工事費に対する下流都県の負担は、四車線化を前提としたものであるので、二車線であるならば、下流都県の負担額が軽減される。四車線化を前提として費用を負担させ、実際には二車線であるというのは明らかに契約違反である。この点について明解な説明をされたい。
【答弁本文】
お尋ねの「契約違反」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、一般国道百四十五号の付替道路については、地域高規格道路の整備区間として四車線で整備することを計画しているものである。
【質問本文】
(六) 八ッ場ダムに関しては、水源地域整備事業が大きな役目を担っており、その終了時期が重要である。八ッ場ダムに係る水源地域整備事業の実施終了時期を明らかにされたい。
【答弁本文】
水源地域対策特別措置法(昭和四十八年法律第百十八号)第四条の規定に基づく「利根川水系吾妻川八ッ場ダムに係る水源地域整備計画」に定められた整備事業の具体的な工期や進捗状況については、事業ごとに様々であるが、事業主体においては、八ッ場ダム建設事業の完成予定年度である平成二十七年度を目途に、おおむねすべての事業が完了するよう事業を進めているものと承知している。
【質問本文】
(七) 最近三〇年間に完成した直轄ダムのそれぞれについてダム完成時期と水源地域整備事業の実施終了時期を明らかされたい。
【答弁本文】
お尋ねの「ダム完成時期」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、現在国土交通省が管理する水源地域対策特別措置法第二条第一項の指定ダム(直轄堰堤維持費又は堰堤維持費(以下「堰堤維持費等」という。)が、昭和五十三年度以降に初めて計上されたものに限る。)における、堰堤維持費等が初めて計上された年度及び同法第四条の規定に基づく水源地域整備計画に定められた整備事業がすべて完了した年度として把握しているものは、それぞれ次のとおりである。
手取川ダム 昭和五十五年度 平成二年度
御所ダム 昭和五十七年度 平成七年度
野村ダム 昭和五十七年度 昭和五十七年度
川治ダム 昭和五十九年度 昭和五十九年度
耶馬渓ダム 昭和六十年度 昭和六十年度
大川ダム 昭和六十三年度 昭和六十年度
浅瀬石川ダム 平成元年度 昭和六十三年度
玉川ダム 平成三年度 平成六年度
寒河江ダム 平成三年度 平成四年度
蓮ダム 平成三年度 平成三年度
弥栄ダム 平成三年度 昭和六十二年度
美利河ダム 平成四年度 平成三年度
七ヶ宿ダム 平成四年度 平成九年度
二風谷ダム 平成十年度 平成八年度
三春ダム 平成十年度 平成十三年度
八田原ダム 平成十年度 平成九年度
滝里ダム 平成十二年度 平成十三年度
宮ヶ瀬ダム 平成十三年度 平成十五年度
長島ダム 平成十四年度 平成十三年度
竜門ダム 平成十四年度 平成十二年度
苫田ダム 平成十七年度 平成二十三年度予定
摺上川ダム 平成十八年度 平成十九年度
忠別ダム 平成十九年度 平成十六年度
灰塚ダム 平成十九年度 平成十八年度
横川ダム 平成二十年度 平成十九年度