2009年3月2日
きたる千葉県知事選(3月29日投開票)で候補者5人のうち、当初から名乗りをあげていた八田英之氏、西尾憲一氏に加え、最後に事務所開きをした吉田たいら氏も八ッ場ダム中止を公約に掲げることが明らかになりました。トップを走る森田健作氏は”やんば”には触れていません。
東京新聞千葉版 2009年3月2日
「八ッ場ダム中止表明 吉田氏が事務所開き 森法相出席も発言せず」
今月末の知事選に出馬表明している前いすみ鉄道社長の吉田平氏(49)が一日、千葉市中央区で事務所開きを行い、集まった支援者に「県民一人ひとりの声に耳を傾け、経営者の感覚で決断、実行する」と訴えた。
吉田氏は政策として、県の負担金が大きい八ッ場(やんば)ダム(群馬県)事業の中止や富津市の鬼泪(きなだ)山の山砂採取禁止を表明した。
事務所開きには吉田氏を推薦する民主党県連や連合千葉、社民党、市民ネットワーク千葉県の幹部、後継指名した堂本暁子知事が出席。民主党県連代表の長浜博行参院議員らが応援演説した。
自民党の森英介法相も参加したが、あいさつはしなかった。シンガー・ソングライターの加藤登紀子さんも駆け付け、歌で盛り上げた。 (小川直人)
読売新聞千葉版 2009年3月2日
「出馬表明5氏活発な前哨戦 街頭演説、ミニ集会、組織と連携も」
知事選(12日告示、29日投開票)に立候補を予定する顔ぶれがほぼ固まった。関西大教授の白石真澄(50)、元衆院議員の森田健作(59)、いすみ鉄道前社長の吉田平(49)、社会福祉法人理事長の八田英之(ふさゆき)(64)、県議の西尾憲一(58)の5氏が、これまでに出馬を表明した。街頭演説やミニ集会を通じて、政策を訴えるなど前哨戦を繰り広げている。
■白石真澄氏
自民党県議団の約半分と公明党県本部が支援する白石氏は、「千葉都民」が多い総武線などの駅頭で演説を連日こなす。県教育委員や国の審議会委員を務めた経験から「政策通」をアピール。「よみがえれ千葉」を合言葉に医療福祉、産業振興、教育の3本柱を訴える。
県議団は二分されたが、「自民系市町村議でつくる地方議員連絡協議会の推薦は大きなプラス」(選対幹部)という。自民党の林幹雄幹事長代理や浜田防衛相らの支援を受け、内・外房地域への浸透に懸命だ。公明党も市町村議の取り組み強化を確認した。
■森田健作氏
「無党派」を掲げる森田氏は、年明けから精力的にこなすミニ集会が、2月末で100回を超えた。半数を超える自民党県議の支援を受け、県医師連盟などの推薦も得るなど、基盤は自民支持層に置く。
東京湾アクアラインの通行料値下げ、観光のトップセールスなど、活力を引き出すリーダーの必要性を訴える。政治生命をかける森田氏は「今度は大変な戦いになる」と気を引き締める。
俳優として団塊世代に抜群の知名度を誇るが、今後は駅頭など繁華街での演説を増やし、50歳代以下への浸透にも力を入れる。
■吉田平氏
民主党県連から支援を受ける吉田氏は、「堂本知事の後継者」を前面に出し、知事と二人三脚で知名度アップを図る。選対には堂本氏を支えた市民運動家らが結集。幹部は「障害者団体などが勝手連的に支持を広げている」と話す。
自民党の森法相と政策協定を結ぶなど、民主党が戸惑う場面もあったが、「八ッ場ダム(群馬県)の建設に多額の県費を投入するのはおかしい」などと、同党の政策に沿った発言が目立ち始めるなど、関係修復に躍起だ。社民党、連合千葉などと連携した組織型選挙も本格化しそうだ。
■八田英之氏
共産党が推薦する八田氏は、医療機関の経営に長年携わった経験から、「病院再生のスペシャリスト」を強調。地域医療を守るため、県立病院などの存続・充実や、中学3年までと75歳以上の医療費無料を訴える。
非正規雇用者の「派遣切り」では、有力企業や経済団体を訪問、正規雇用への転換や脱法行為の是正などを要請した。支援団体の幹部は「我々の主張や世論の反応を無視できなくなっている」と手応えを口にする。
首長との意見交換も積極的で、「現場の窮状を訴え、世論にしていきたい」(選対幹部)と意欲を見せる。
■西尾憲一氏
西尾氏は昨年10月に出馬表明して以降、組織的な支援には頼らず、地元・船橋市以外で演説を行うなどしてきた。他の立候補予定者は千葉市に選挙事務所を置く予定だが、西尾氏は船橋市に拠点を構え、「東葛地域で票を掘り起こす」と独自路線を貫く。