2009年10月2日
地元を抱える群馬県議会では、自民党を中心にダム推進の大合唱、民主系会派はこれに異を唱えています。両者の対立は来夏の参院選の前哨戦の様相を帯び、日増しに激しくなっています。
2009年10月2日 上毛新聞一面より転載
ー八ッ場推進へ意見書ー
県議会は1日、本会議を開き、自民・ポラリスの議員3人が提案した八ッ場ダム建設中止の撤回と建設推進を鳩山由紀夫首相らに求める意見書を賛成多数で可決した。意見書は原富夫議長らが2日、国土交通省を訪れ前原誠司国交相に手渡す。鳩山首相、原口一博総務相、藤井裕久財務相にも各省を通じて提出する。
前原国交相は閣議後会見で「意見書が可決されたことは重く受け止めるが、本体工事中止の方針に変わりはない」と語った。意見書可決を受け大沢正明知事は「(中止撤回要請を)議会とも連携してやっていきたい」と話した。
意見書は「地元住民の長い間の苦しみと同ダム建設事業の必要性を理解してほしい」と中止撤回を求めた上で、①国の責任で予定通り全事業を完成する ②地元住民のため、ダム湖や国道、鉄道付け替えなどの早期完成に最大限努力するーの2点を要望している。
採決に先立ち討論が行われ、意見書提出に反対の立場で大沢幸一氏(リベラル群馬)が「前原大臣は中止ありきではなく検証と検討を徹底的に行い、同ダムの必要性の有無について早急に見解を示すべき」とした上で「推進ありきの意見書には同意できない」と述べた。
これに対し、須藤昭男氏(自民・ポラリス)が賛成の立場で「計画を根本から方向転換するなら、1都5県や地元住民に対する十分な説明責任を果たすべきだ。話も協議もなく一方的に変えるのは納得できない」と前原国交相を批判した。
採決では自民・ポラリスと公明の31人が賛成、リベラル群馬、民主改革クラブ、爽風、のぞみの14人が反対した。