八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

各党マニフェスト読みくらべ

 2010年参院選に向けて、各党のマニフェストが公表されましたので、八ッ場ダム問題に関連する記述を並べてみます。

●民主党
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2010/data/manifesto2010.pdf 
18ページ
交通政策・公共事業
 ー中止の方針を表明している八ッ場ダムをはじめ、全国のダム事業について、予断を持たずに検証を行い、『できるだけダムにたよらない治水』への政策転換を一層進めます。

●自民党
http://www.jimin.jp/jimin/kouyaku/pdf/2010_genan_hanten.pdf 
18ページ
 ー防災ニューディールによる耐震工事や駅・公共施設等のバリアフリー化、八ッ場ダムの完成等により、命を守る基盤を整備します。

●公明党
http://www.komei.or.jp/policy/various_policies/pdf/manifesto2010.pdf 
19ページ
「日本の豊かな未来像を描く、国土形成」
 ーJAL問題や八ツ場ダム問題など、民主党政権では地域や生活現場の意見を反映した政策決定が行われていません。たとえば八ツ場ダム問題については科学的検証・経済的検証を行ったうえで、民主主義的手続きによった地元住民や自治体の合意を確立し政策判断を行うなど、生活現場の声を政策に反映します。

●社民党
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/manifesto03_07.htm
「生活再建10の約束 再建7 みどり 地球温暖化ストップ」
 ー環境保全や歳出の削減、費用対効果の視点から、情報公開や住民参加の徹底で、現在のニーズに適合しない無駄な公共事業を徹底的に見直すため、公共事業チェック機構を設けます。見直し中の工事については凍結します。川辺川ダム、八ッ場ダムなど問題の多い大規模公共事業については、建設を中止します。

●共産党
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2010_1/2010-6-19_sanin_seisaku_su.pdf
 政策集2ページ
 ー大型開発にメスを入れる・・・公共事業予算は全体では大幅に削減されましたが、3大都市圏環状道路などの大型公共事業に予算が集中し、そのあおりで、耐震対策や危険個所の補修など安全に関わる事業や、暮らしに密着した事業が後回しにされています。これでは「コンクリートから人へ」に反します。大型開発にメスを入れ、不要不急の事業を中止・延期します。

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 民主党の今回のマニフェストは、昨年総選挙のマニフェストの修正点のみを記述したとされ、政権交代後に前原大臣が立ち上げた有識者会議の検証作業について書かれている以外、目新しものはありません。昨年の総選挙では、民主党は具体的な政策について詳しく記述した政策集「INDEX2009」を公表しています。今後も踏襲されるといわれるこの政策集では次のように書かれています。八ッ場ダム建設中止を全面に打ち出した昨年より後退したという指摘もありますが、政権与党ですから、実際の取組みや実績で判断されるのはいうまでもないことです。
 ー川辺川ダム、八ッ場ダム建設を中止し、生活再建を支援します。そのため、「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法(仮称)」の制定を目指し、国が行うダム事業を廃止した場合等には、特定地域について公共施設の整備や住民生活の利便性の向上および産業の振興に寄与する事業を行うことにより、当該地域の住民の生活の安定と福祉の向上を図ります。

 自民党はこれまで八ッ場ダム計画を推進してきましたが、下野して初めて八ッ場ダムをマニフェストに書き込みました。「防災ニューディール」という第二次大戦直後の政策を掲げる自民党に国民はどのような審判を下すのでしょうか? 自民党群馬県連のローカルマニフェストでも、「持続可能で安心安全に暮らせる群馬をつくります」の1番目に八ッ場ダムがきます。↓
 http://www.jimin.jp/jimin/info/local/pdf/10.pdf
 自民党群馬県連ローカルマニフェストP3
 ー八ッ場ダム建設推進で”地域の声、地元住民の生活”を守ります。
 湖面1号橋も工事着工となりました。
 下流県民の治水、利水のため、そして地元住民の要望を叶えるため、私たち自民党は、ダムの本体工事も含め全てが完成するよう努力していきます。
 
 昨年まで自民党と連立を組んでいた公明党も、今回はじめてマニフェストに八ッ場ダムの記述がお目見えしました。自民党の表現とは違っている点が注目されます。
 社民党の八ッ場ダムについての記述は、昨年2009年のマニフェストにおける表現です。2009年のマニフェストは今も社民党の公式サイトに掲載されていますので、今回もこのマニフェストが踏襲されるとされ、群馬版の新聞などで紹介されています。