八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

ダム見直し、国が監視窓口 

 八ッ場ダムは今後一年間の検証作業によってダム本体着工の有無が決定することになりました。
 国土交通省は最近になって、利根川の治水の根拠となってきた「基本高水」や八ッ場ダムの水没予定地住民が移転する代替地の安全性について誤りを認めましたが、これらの問題はまだ氷山の一角です。関係都県、特に東京都の過大な水需要予測による「利水」の必要性、B/C(費用対効果)の計算根拠など、八ッ場ダム計画の裏づけとなっているはずの一つ一つの論理を確認すれば、それらがいかに虚構と欺瞞に満ちているかがわかります。
 八ッ場ダムを推進してきた国交省関東地方整備局がこれまでの姿勢を変えずお手盛りの検証作業をするのでは、客観的で公正な検証は期待できません。民主党政権の奮起を求めます。

◆2010年11月16日 朝日新聞より転載
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201011160240.html

ーダム見直し、国が監視窓口 「建設ありき」なら改善促すー

八ツ場(やんば)ダム(群馬県)をはじめ全国84カ所のダムの見直しをめぐり、馬淵澄夫国土交通相は16日、建設継続を前提とした検証作業にならないよう監視する窓口を設けることを明らかにした。「建設ありき」が疑われる場合、国交相ら政務三役が改善を促すという。

 国の有識者会議が示した手順では、同省の地方出先機関などが出した検証結果が不十分な場合、国交相はやり直しを指示できる。馬淵国交相は「検討結果の報告を受けるだけでなく、検討が進められる過程でも随時、報告を求め、チェックを行う」と述べた。

 ただ、見直し対象のうち30道府県が事業主の53カ所の補助ダムについては道府県の自主性を尊重し、検討途中での報告は求めない。道府県の多くは建設の継続を望んでいるとされる。馬淵国交相は補助ダムについても「事業の継続を前提とするのではなく、予断をもたずに検討してほしい」と語った。

◆2010年11月16日 読売新聞より転載
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101116-OYT1T00464.htm

ーダム再検証、建設前提の検討は是正指示…国交相ー

全国31ダムの建設継続の是非に関する再検証について、馬淵国土交通相は16日の閣議後記者会見で、「『建設継続』を前提とした検討が行われている懸念があれば是正の指示をする」と述べ、白紙の状態で再検証する方針を強調した。

 ダムの再検証は、国交相の私的諮問機関が作成した新基準に基づき、各地方整備局などが行う。これまで建設を進めてきた地方整備局自らが再検証するため、建設反対派などからは「客観的な再検証ができるのか」という声が出ていた。

◆国土交通省ホームページより転載

 大臣発言(今後のダム事業の検証の進め方について)
 http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_001249.html

 閣議後の定例会見を始めさせていただきます。
まずは冒頭に私からは、今後のダム事業の検証の進め方についてご報告いたします。
 後ほど事務方より資料を配付させていただきます。
今後のダム事業の検証についてでございます。
これまで、「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるとの考えに基づき、治水対策のあり方について検討を進めてきているところであります。
 昨年12月に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を発足し、12回にわたる討議を経て、本年9月27日に「中間とりまとめ」がまとめられました。
 これを踏まえて、9月28日に、私、国土交通大臣から検討主体、これは関係各地方整備局等並びに水資源機構、そして関係各道府県などでございますが、これに対してダム事業の検証に係る検討を行うよう、指示又は要請を行い、同日付けで、検討の手順や手法を定めた「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」を通知いたしました。
 今後、全国のダム事業について検証が本格的に進んでいきますが、予断なく検討が進められるよう、国土交通本省が、最終的に検討結果の報告を受けるだけはなく、検討が進められる過程においても随時関与し、その状況を公表することにより、検証の趣旨の徹底と透明性の確保を図ることといたします。
 具体的には次の通りです。検討の手順や手法については、検討主体で検討が進められる過程で様々な疑問が出てくると考えられます。
このため、国土交通本省に窓口を設置し、検討主体からの検討の手順や手法に関する質問を受け付け、有識者会議のご意見をお聴きして回答し、結果をホームページで公表いたします。
 これまでは、「中間とりまとめ」に基づいて、国土交通本省は検討主体から最終的な検討結果の報告を受け、必要に応じ再検討の指示又は要請を行うこととしていましたが、これに加えて、検討が進められる過程においても政務三役をはじめとする国土交通本省は、各地方整備局等及び水資源機構の検討状況について、随時、報告を求めてチェックを行うことといたします。
 継続を前提とした検討が行われている懸念がある場合等には、是正の指示を行うとともに、報告や指示の内容をホームページで公表します。
 あわせて、与党の関係国会議員にもご報告をさせていただき、政府与党一体となった対応について工夫をしてまいりたいと考えています。
 また、補助ダムについては、道府県に検討を「要請」していることから、直轄・水機構ダムのように「報告」を求めたり、「チェック」を行ったりはしませんが、事業の「継続」を前提とするのではなく、「予断を持たずに」検証を進めていただきたいと考えていることを、この場を借りてあらためて表明させていただきます。
 以上でございます。

◆国土交通省ホームページより転載

 報道発表資料
 http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000275.html

今後のダム事業の検証の進め方について 平成22年11月16日

1.これまでの経緯
 これまで「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるとの
考えに基づき、治水対策のあり方について検討を進めてきております。
 昨年12 月に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(以下「有識
者会議」という。)を発足し、12 回にわたる討議を経て「中間とりまとめ」
が本年9月27 日にまとめられました。
 これを踏まえて、28 日に、検討主体(関係各地方整備局等、水資源機構、
関係各道府県)に対して、ダム事業の検証に係る検討を行うよう、指示又は
要請を行い、同日付けで、検討の手順や手法を定めた「ダム事業の検証に係
る検討に関する再評価実施要領細目」を通知しました。

2.予断なき検証に向けた対応強化について
 今後、全国のダム事業について検証が本格的に進んでいくことから、予断な
く検討が進められるよう、次のとおり照会窓口の設置と検討主体からの報告
体制の整備を行い、検証の趣旨の徹底と透明性の確保を図ります。

(1)照会窓口の設置
 国土交通本省(河川局河川計画課)に窓口を設置し、検討の過程で
検討主体からの検討の手順や手法に関する質問を受け付け、有識者会
議の御意見をお聴きして回答し、結果をホームページで公表する。

(2)検討主体からの報告体制の整備
 国土交通本省は、各地方整備局等及び水資源機構の検討状況につい
て、随時、報告を求めてチェックを行い、継続を前提とした検討が行
われている懸念がある場合等には、是正の指示を行うとともに、報告
や指示の内容をホームページで公表する。

記者発表
http://www.mlit.go.jp/common/000128626.pdf

お問い合わせ先
国土交通省河川局河川計画課河川計画調整室長 泊 宏

TEL:(03)5253-8111 (内線35361) 直通 03-5253-8445

国土交通省河川局河川計画課課長補佐 舟橋 弥生

TEL:(03)5253-8111 (内線35372) 直通 03-5253-8445