八ッ場ダム事業の中で最も多くの予算が組まれている付替え国道の開通区間でまた落石事故が起こりました。
★国土交通省記者発表資料↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000017366.pdf
平成22年11月16日(火)
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
記者発表資料
落石が発生、付替国道145号(長野原町道1-16号線)の片側通行止め区間が延長
昨日11月15日19時30分頃、長野原町川原畑地区の町道1-16号線で落石(30cm×15cm×10cm程度の石が1個)が発見されました。
このため、安全確保の観点から、以前より実施していた同路線片側通行止め区間が東吾妻町方向に約210m延長されています。
(これまでの片側通行止め区間とあわせると約410mになりました。)
なお、落石による被害は、確認されていません。
同時発表記者クラブ
竹芝記者クラブ
神奈川建設記者会
刀水クラブ
吾妻記者クラブ
問い合わせ先
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所 副所長徳道修二 とくみちしゅうじ TEL 0279–82-2311(代表)
—転載終わり
今回の事故は、9月8日の落石事故に続く二度目で、場所も前回の事故現場のすぐそばです。
現場は、ダムサイト予定地に近い長野原町川原畑地区にあり、この一帯はダム予定地の中でも特に地質がもろい場所の一つです。川原畑地区の付替え国道では、落石事故の他、法面崩落も繰り返し発生しており、国土交通省八ッ場ダム工事事務所はその対策に負われています。現場はまさに”税金のブラックホール”ですが、国土交通省は付替え国道などの関連工事を「生活再建支援のための関連工事」だとし、地元住民のために工事をやっているとアピールしています。
馬淵国土交通大臣ら民主党の政務三役や関係都県知事は、このところ相次いで現地視察を行っていますが、視察の際の案内役は国交省現地事務所です。ダム事業を推進してきた国交省現地事務所は、自らの落ち度や失敗が明らかになるような案内はしません。石原都知事は「ダムができないのに負担金を払うバカはいない」と記者会見で語っているようですが、構想から58年経過しても関連工事の終了の見通しも立っていないダム事業になぜ今まで唯々諾々と多額の負担金を支払ってきたのでしょうか? 工事が順調に進んでいるという国交省の説明とは裏腹に、工事現場では落石事故や崩落が繰り返されていることを少しでも知っているのでしょうか?
関連記事を転載します。
◆2010年11月17日 毎日新聞群馬版より転載
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20101117ddlk10040163000c.html
ー落石:八ッ場バイパスで 410メートルが片側通行止め /群馬ー
国土交通省八ッ場ダム工事事務所は16日、国道145号の八ッ場バイパスで斜面からと見られる落石があり、約410メートルの区間を片側通行止めにしたと発表した。同バイパスでは9月にも石約10個が見つかるなど落石が相次いでおり、同事務所は斜面の強化対策を検討している。
同事務所などによると15日午後7時半ごろ、長野原町川原畑の同バイパスを走行中のドライバーが、直径約30センチの石1個が落ちているのを見つけ、110番した。9月8日には、西に約200メートル離れた「茂四郎トンネル」西側出入口付近で直径数十センチの石約10個が見つかり、防護さくの設置や鉄ロープによる岩盤保護が行われたばかりだった。【奥山はるな】
◆2010年11月17日 朝日新聞群馬版より転載ー
ー八ッ場バイパス9月に続き落石 川原畑地区ー
八ッ場ダム(長野原町)の水没地区の移転代替地を結ぶ国道145号八ッ場バイパスの川原畑地区で落石があったと、国土交通省八ッ場ダム工事事務所が16日発表した。
同地区では9月8日未明にも落石が見つかり、これまでも約200㍍が片側通行に規制されていた。工事事務所は今回の落石地点を含め、約410㍍に規制区間を延長。年内をめどに対策工事を終える予定という。
工事事務所などによると、今回落石があったのは川原畑地区から東吾妻町方面へ抜ける茂四郎トンネルの手前付近。15日午後7時半ごろ、縦30㌢、横15㌢、高さ10㌢ほどの石が2車線の道路中央付近に落ちているのを車で通りがかった人が見つけた。落石による車両などの被害は出ていないという。
9月の落石の影響で、川原畑地区の東部から東吾妻町松谷地区までの約4,4㌔が10月末まで全面通行止めに。その後、片側通行となり、対策工事が進められていたさなかだった。
◆2010年11月17日 上毛新聞より転載
ー八ッ場バイパスで落石 長野原ー
15日午後7時半ごろ、長野原町川原畑の町道で通行中のドライバーが落石を発見した。現場周辺では9月にも落石があり、安全対策のため片側が通行止めになっていたが、今回の落石で規制区間が延長された。町や国土交通省八ッ場ダム工事事務所が詳しい原因を調べている。
落石はサッカーボールぐらいの大きさ。川原畑八ッ場ダム現地再建対策委員会の野口貞夫委員長(66)は「危険個所がないように十分調査して、安全対策を徹底してほしい」と話している。道路は八ッ場ダムのせいかつっ再建事業として整備されている国道145号付け替え道(八ッ場バイパス)の一部区間として、今春に町道として暫定開通した。9月の落石で通行止めになったが、10月に片側だけ通行を再開した。