シンポで訴えー「生活再建、法整備を」

◆2010年11月23日 朝日新聞群馬版より転載

八ッ場よ!
「生活再建、法整備を」 東大でシンポ 「川辺川」例に指摘

 八ッ場ダム(長野原町)の今後の課題を話し合うシンポジウムが21日、東京都文京区の東大で開かれた。昨年9月の政権交代で八ッ場とともに、「中止」とされた川辺川ダム(熊本県)について報告があり、中止後の生活再建を支援する法整備の遅れで、中止を受け入れられない地元の現状が伝えられた。出席者からは「八ッ場と共通する課題だ」といった声が出た。

 ダムの見直しを掲げた市民団体「八ッ場あしたの会」などの主催。
 川辺川ダムでは、五木村役場などがある中心集落を含めた約500世帯が水没予定だった。下流域でダムの水を農業用水に活用予定だった農家の反対などがあり、政権交代1年前の2008年9月には熊本県知事がダム反対を表明した。
 「子守唄の里・五木を育む川辺川を守る県民の会」の寺嶋悠さんの報告によると、ほとんどの世帯が代替地などに移転を終えているが、代替地を結ぶ橋や付け替え国道の整備、代替農地の造成などが主に残っている。
 ただ、中止後の補償などに関する法律が整わず、残った事業の多くで資金のメドが立たないため、村はダム建設中止を受け入れていない。河川予定地に指定されたままの水没地区の国有地の利活用策も話し合えていないという。
 シンポで八ッ場ダムの地元長野原町の現状を話した牧山明・町議は「遠からず(八ッ場は)川辺川と同じ状況になる」と述べ、「国や県は地元の生活再建に責任をもってもらいたい」と強調した。
 このほか、八ッ場ダムの必要性の検証に関する課題や、移転代替地の安全性、地滑り対策などについて専門家から報告された。