2011年1月11日
本日、八ッ場あしたの会では、以下の要請書を八ッ場ダムをストップさせる各都県の会と連名で国土交通省関東地方整備局に提出しました。
国土交通省関東地方整備局は、八ッ場ダムの検証検討主体として現在、八ッ場ダム事業の検証作業を行っています。八ッ場ダム事業を進めてきた関東地方整備局みずからによる検証は、客観性に大きな疑問が投げかけられています。
八ッ場ダム事業は関係都県が国交省とともにダムを推進してきたものの、近年、その必要性や事業の内容に流域住民から疑問の声があがってきました。民主党など野党が2009年の総選挙で選挙公約に八ッ場ダム中止を掲げたのも、公共事業見直しの潮流の中で、世論の批判が高まってきたことを受けたものでした。
ダム検証の一つのポイントは、流域住民の意見をどのように反映させるかということです。民主党政権下、官僚主導のダム行政はいまだに改められる気配がありません。一方、自民党、公明党、みんなの党は、ダム推進を公然と主張しています。
今回の要請では、流域住民の意見反映の問題のみに絞って、意見を提出することとしました。今後は八ッ場ダム検証の利水、治水の内容についても順次、第二弾、第三弾の要請書を提出して、改善を求めていく予定です。
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2011年1月13日
八ッ場ダム事業の検証検討主体
関東地方整備局長 菊川 滋 様
八ッ場あしたの会 代表世話人 野田知佑ほか
八ッ場ダムをストップさせる群馬の会 代表 浦野稔
八ッ場ダムをストップさせる茨城の会 代表 近藤欣子
八ッ場ダムをストップさせる千葉の会 代表 村越啓雄
八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会 代表 藤永知子
ムダなダムをストップさせる栃木の会 事務局長 伊藤武晴
八ッ場ダムをストップさせる東京の会 代表 深澤洋子
八ッ場ダム事業の検証に当たっての要請
国土交通省が2010年9月28日に通知した「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」は、次のとおり、流域住民の意見をできるだけ反映することを求めています。
再評価実施要領細目(第3の1(2) 情報公開、意見聴取等の進め方)
「検証に係る検討に当たっては、科学的合理性、地域間の利害の衡平性、透明性の確保を図り、地域の意向を十分に反映するための措置を講じる」
八ッ場ダム事業の検証も当然のことながら、この基本理念を十分に踏まえて、実施されなければなりません。
さらに、同細目(第4の1(1)①事業を巡る社会経済情勢等の変化、事業の進捗状況(検証対象ダム事業等の点検))は、「計画の前提となっているデータ等について詳細に点検を行う」ことを求めており、この詳細点検がきちんと行われるためにも、この基本理念にある透明性の確保が必須の条件です。
つきましては、八ッ場ダムの検証においてこの基本理念を反映させるため、下記の2点を実施することを要請します。
① 学識経験者、関係住民等で構成される検証委員会を設置し、公開で八ッ場ダムの是非について審議を行うこと
② 関係住民の意見を聴く場は、陳述者が一方的に意見を述べるだけの公聴会ではなく、陳述者とダム事業者(検証検討主体)の意見交換が十分に行われる場とすること
この①と②を実施するか否かについての回答を1月24日までに上記連絡先までお送りくださるよう、お願いします。もし実施しない場合はその理由を必ず明記してください。
八ッ場ダム事業の検証を意味のあるものにするために、私たちの要請を真摯に受け止められることを強く望みます。