八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

水道水から放射性物質

 福島原発事故による放射能汚染により、牛乳、野菜などの農産物から放射性物質が検出されたという報告が各自治体より次々とあがっていますが、ついに水道水からも安全基準を超える放射性物質が検出されたとの報道がありました。水道水の場合は、水道局により放射性物質を除去する作業が行われるとのことです、除去作業後の水道水から放射性物質が検出されたことは、事態の深刻さを一層印象づけるものです。

 テレビ報道では、パニック回避のためか、原発推進勢力による責任回避のためか、「ただちに健康に影響が出るレベルではない」として、「冷静な対応」を求める論調が主流ですが、もともと放射能汚染による健康被害はただちに影響が明らかになるものではありませんので、説得力がありません。海外メディアでは、今後の放射能汚染の地球規模の広がりをシミュレーションしたデータを公表するなど、厳しい予測が報告されています。民間レベルでも、妊婦、幼児など、放射能汚染の被害が最も懸念される被災者を対象に、避難先確保の呼びかけが行われています。

★【放射能汚染シミュレーション】 フランス放射線防護・原子力安全研究所
   http://bit.ly/e8UaSd
   上記をクリックして表示された画面左下の矢印をクリックすると、今後の放射能汚染の地球規模の拡大シミュレーションが示されます。

★スウェーデンの原子力安全・保安院
 在日スウェーデン人に、福島第一原発から半径250km圏内の40歳以下の人に、ヨード剤の服用を勧告。
 http://bit.ly/eUEFnY

★原子力資料情報室(東京都新宿区)での放射線の測定結果
 http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=1022
 屋外・屋内における放射線の測定結果を随時更新
 「3/21 11:30 コメント追記 屋外での測定値が高くなっています。これは雨のために普段から自然界にあるラドンの影響が出てきているためで、原発に起因するものではないと思われます。」

◆2011年3月21日 読売新聞社会面より転載
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110321-OYT1T00564.htm?from=main3

 -放射性ヨウ素の水道水基準、乳児には厳格化―

 厚生労働省は21日、乳児について、100ベクレルを超える放射性ヨウ素が検出された水道水の飲用を控えるように都道府県に通知を出した。

 水道水の食品衛生法の暫定規制値は、1キロ・グラム当たり300ベクレルで、厚労省では、この値を超えた水道水について飲用しないように求めているが、乳児については、放射線の影響を受けやすいことなどを考慮し、基準を下げた。

 通知では、粉ミルクを水道水で溶かして乳児に与える場合などに、ヨウ素が100ベクレルを超える水道水を使わないように求めている。厚労省によると、地震発生後、水道水から100ベクレル以上の放射性ヨウ素が検出されたのは、福島県飯舘村、川俣町、福島市の3か所。

◆2011年3月21日 毎日新聞福島版より転載
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110321ddlk07040029000c.html

 -東日本大震災:川俣の水道水放射性物質 国から県に連絡なし /福島―

 ◇情報共有と連携申し入れ

 川俣町の水道水から国の摂取基準を上回る放射性物質が検出された際、検査した国の原子力災害現地対策本部から県に結果連絡がなかったことが、20日の県災害対策本部会議で報告された。そのまま国から公表され、県生活環境部の荒竹宏之次長は「県と情報を共有してから公表すべきだ」と指摘。県は同日、国に情報共有と連携を図るよう申し入れた。

 川俣町の水道水からは、17日の採取で放射性ヨウ素が1リットルあたり308ベクレル、18日155ベクレル、19日123ベクレルが検出され、厚生労働省が19日夜に公表した。国の基準は300ベクレル。ベクレルは放射線を出す能力を表す単位。

 国の現地対策本部の横田一磨・福島第1原子力保安検査官事務所長は、県への連絡ミスや基準値を超えていながら公表が2日後だったことについて、「隠すつもりはなかった。調査結果の評価、公表は厚労省に一元化している」と釈明した。

 現地対策本部は▽摺上川ダム(福島市)▽三春ダム(三春町)▽堀川ダム(西郷村)▽大川ダム(会津美里町)▽平浄水場(いわき市)▽真野ダム(飯舘村)--の水道水も採取。大川ダムを除く5カ所で微量のヨウ素が検出されたが、国の基準は下回った。

◆2011年3月21日 東京新聞社会面より転載
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011032001000835.html

 -水道水飲まないよう要請 基準3倍超の放射性ヨウ素―

 福島県飯館村の水道水から20日、1キロ当たり965ベクレルの放射性ヨウ素が検出され、厚生労働省は村に対し、水道水を飲むのを控えるよう要請した。福島県は21日朝から給水車を出して対応する。

 厚労省によると、検出されたのは村の簡易水道の水。国の原子力安全委員会が定めたヨウ素の摂取制限の基準は1キロ当たり300ベクレル。

 「今回の値の水を一時的に飲んでも直ちに健康に影響が出ることはなく、代替の飲用水がない場合は飲んでも差し支えない。手洗いや入浴などの利用は可能」と説明している。

 飯館村は21日朝、職員がチラシを持って各戸を回って説明。県の給水車が到着するのを待たずに、備蓄分から1人当たり3リットル配布した。職員の杉岡誠さん(35)は「村民からは『煮炊きはいいのか』という声があるが、『煮沸はしないように』と伝えた。もう少し早く周知してほしかったとの声が多い」と話している。

 飯館村は一部が福島第1原発の半径20~30キロ圏で屋内退避区域になっている。 (共同)

*上記記事が取り上げている問題に関する厚生労働省の記者発表資料は以下をクリックすると見られます。
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015mwn.html

◆2011年3月21日 東京新聞社会面より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011032101000431.html

 -一部で雨の放射性物質増加 水道水は10都県で―

 文部科学省は21日、20日朝から24時間の雨やちり、ほこりなど降下物の検査結果について、雨の影響で、放射性のヨウ素やセシウムの量が大幅に増えた地域があったと発表した。

 文科省は「別の検査の結果を考慮すると、空間や水道水の放射性物質は健康に問題ないレベル」としたが「農作物への影響は、厚生労働省を中心に検査する必要がある」と説明した。

 また文科省は21日、都道府県が20日採取した水道水の検査結果を集計し、ヨウ素とセシウムが茨城、栃木、群馬で、ヨウ素が埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨で検出されたと発表。独自調査している福島県も21日午前8時の採水で、ヨウ素が水1キロ当たり23ベクレル検出されたと発表した。いずれも国の基準値を下回った。

 文科省集計分は20日(19日採取)と比べ、ヨウ素が山梨で検出。セシウムは東京で不検出となったが群馬で確認された。

 水1キロ当たりの量はヨウ素が茨城12ベクレル、栃木10ベクレル、東京2・9ベクレル、新潟3・6ベクレルなど。セシウムは栃木2・8ベクレル、群馬1・2ベクレルなど。宮城県は震災の被害で計測不能。

 国の原子力安全委員会の摂取制限基準は水1キロ当たりヨウ素が300ベクレル、セシウムが200ベクレル。(共同)

◆2011年3月19日 毎日新聞より転載
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110320k0000m040088000c.html

 -福島第1原発:水道水に微量放射性物質 6都県―

 文部科学省は19日、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟の6都県の1キログラム当たりの上水(蛇口)に含まれる放射性ヨウ素が0.27~77ベクレル、栃木、群馬県の放射性セシウムが0.22~1.6ベクレルだったと発表した。原子力安全委員会の基準によると、飲料水の放射性ヨウ素の摂取制限は1キログラム当たり300ベクレル、放射性セシウムは200ベクレルで、いずれの数値も健康に影響を及ぼすレベルではない。

 宮城、茨城県は地震災害や断水で調査できず、奈良県はデータ未回収、福島は県が独自に公表。他の道府県は検出されなかった。

 調査によると、上水に含まれる放射性物質は▽栃木県(放射性ヨウ素77ベクレル、放射性セシウム1.6ベクレル)▽群馬県(同2.5ベクレル、同0.22ベクレル)▽埼玉県(放射性ヨウ素0.62ベクレル)▽千葉県(同0.79ベクレル)▽東京都(同1.5ベクレル)▽新潟県(同0.27ベクレル)。文科省によると、77ベクレルの水を1年間飲み続けても、胃のレントゲンを3回受けたのと同じ放射性物質を摂取するレベルという。

 また、文科省が都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局、MP)は19日午後5時時点で、茨城(0.170マイクロシーベルト)、栃木(0.148マイクロシーベルト)、群馬(0.076マイクロシーベルト)の3県で大気中の1時間当たりの放射線量が通常値をやや上回った。1年間の線量限度は1000マイクロシーベルトとされ、3県の線量は健康には全く影響がないレベルという。

 3県は通常値を0.031~0.114マイクロシーベルト上回った。震災発生後の最高値は▽茨城県1.504マイクロシーベルト=15日午前9時時点▽栃木県1.318マイクロシーベルト=同▽群馬県0.562マイクロシーベルト=15日午後2時時点--で、いずれも線量は下がり続けている。宮城県はMP施設に倒壊の恐れがあり、福島県は計測者の健康に配慮して測定していない。

【篠原成行】

◆2011年3月19日 読売新聞科学面より転載
 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110319-OYT1T00743.htm

 -1都5県の水道水から放射性物質、国基準下回る―

 福島第一原子力発電所の事故の影響を調べている文部科学省は19日、首都圏を中心に1都5県の水道水から放射性ヨウ素やセシウムを検出したと発表した。

 いずれも国の原子力安全委員会が摂取を制限する基準値を下回っている。

 18日に採取した水道水を19日に分析した。水道水1キロ・グラムあたりのヨウ素の検出量が最も高かったのは、栃木県の77ベクレルで、国の基準値(300ベクレル)の3割以下だった。次いで、群馬県(2・5ベクレル)、東京都(1・5ベクレル)、千葉県(0・79ベクレル)、埼玉県(0・62ベクレル)、新潟県(0・27ベクレル)となった。

 一方、セシウムも、栃木県で1・6ベクレル、群馬県で0・22ベクレルが検出されたが、いずれも国の基準値の200ベクレルを大きく下回った。

 厚生労働省は19日、都道府県に対し、国の基準値を超えた場合の対応について、〈1〉代わりの飲用水がない場合を除き、飲用を控える〈2〉シャワーや風呂などの生活用水としての利用には問題ない――と通知した。

◆2011年3月20日 共同通信47news より転載
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032001000306.html

 -7都県、ヨウ素やセシウム検出 文科省、雨やちりなどから―

 文部科学省は20日、福島第1原発事故を受けて18日午前9時から24時間に降った都道府県の雨やちり、ほこりなどを検査した結果、栃木と群馬で放射性ヨウ素とセシウム、東京、埼玉、千葉、神奈川、山梨で放射性ヨウ素を検出したと発表した。

 文部科学省は、今回の検査のみで健康への影響は評価できないとした上で「検出されたいずれの地域も、別の検査では空間や水道水の放射性物質は健康に問題ないレベルと既に判明している」と説明した。

 1平方キロ当たりの検出量はヨウ素が栃木1300メガベクレル、群馬230メガベクレル、東京51メガベクレル、埼玉64メガベクレル、千葉21メガベクレル、神奈川40メガベクレル、山梨175メガベクレル。セシウムは栃木62メガベクレル、群馬84メガベクレル。その他のほとんどの地域は検出されなかった。震災対応などで報告が間に合わなかった地域もあった。

 農作物などへの影響については今後、厚生労働省を中心に評価するという。

◆2011年3月15日 産経新聞社会面より転載
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0315/san_110315_5132258420.html

 -放射能漏れ、飲み水は「安心」浄水場で除去可能―

 福島第1原発で広範囲で放射性物質が検出された事故で飲料水への影響は出るのだろうか。河川やダムを管理する国土交通省は「放射線量を注視している」とするが、専門家からは「水道水なら濾過される。放射性物質は心配しなくてもよい」との声も上がる。

 首都圏の河川を管理する国土交通省関東地方整備局河川課によると、放射線の濃度によってダムからの取水を制限するなどの基準は特にないという。

 同整備局管内で福島第1原発に最も近いのは、茨城県日立市や常陸太田市の飲み水となっている久慈川。「原発からは約100キロの距離。情勢を注視しているところ」と説明する。

 東北地方の水について、東北地方整備局は「そんな(影響を心配する)事態にはなっていないと考える」としている。

 広島大原爆放射線医科学研究所の星正治教授(放射線生物・物理学)は「浄水場で水を濾過する際、細菌やゴミと同時に放射性物質も取り除かれ、人体に心配ないレベルになる。過剰な心配をする必要はない」としている。