2011年3月25日
ムダなダムをストップさせる栃木の会が栃木県議会議員選挙立候補予定者に対してアンケートを実施しました。栃木県は3つの巨大ダム事業(八ッ場ダム、湯西川ダム、南摩ダム)の負担金を支払っており、負担金の総額は700億円を上回ります。八ッ場ダム事業では、栃木県は利根川の「治水」の負担金を支払っていますが、利根川は栃木県内を流れておらず、当然のことながらなぜ負担金を支出しなければいけないのか、という疑問の声が根強くあります。
福島県に隣接し、原発震災の影響が広がってきている中で、県内世論の今後の動向が注目されます。
同会がまとめた回答結果と解説を以下に転載します。
~ ~ ~ ~ ~
栃木県議会議員選挙立候補予定者に対しアンケート調査
*クリックしていただくと、各候補者の回答結果が表示されます。
〈選挙区:宇都宮市、上三川町〉
https://yamba-net.org/wp/doc/201103/enquete01.pdf
〈選挙区:足利市、栃木市・岩船町、佐野市、鹿沼市・西方町、日光市)
https://yamba-net.org/wp/doc/201103/enquete02.pdf
〈選挙区:小山市・野木町、真岡市、大田原市、矢板市、那須塩原市・那須町)
https://yamba-net.org/wp/doc/201103/enquete03.pdf
〈選挙区:さくら市・塩谷郡、那須鳥山市・那珂川町、下野市、芳賀郡、下都賀郡北部〉
https://yamba-net.org/wp/doc/201103/enquete04.pdf
3ダムで740億円も負担するのに・・あまりにも低い回答率・・県民の関心の低さを反映?
統一地方選挙が間もなく始まります。
栃木県議会議員に立候補された方々のダムに対する認識がどのようなものなのか明らかにするため、アンケート調査を行いました。調査用紙は3月1日に発送し10日必着で回答を求めました。県議定員50名のところ、立候補予定者数は77名にも達しましたが、そのうち氏名住所が確認できた76名の方に、3月1日までにアンケート用紙を発送しました。3月10日の期限までの回答者があまりにも少数だったため期間を延長し、再度回答をお願いしました。3月20日の最終期限までにFAXで回答があった方(21名・回答率27.6%)の回答を一覧表にしました。県東部の選挙区からの回答はほとんどゼロでした。当初の回答期限は大震災の前でしたが、大震災の影響が大きかったことが考えられます。しかしながら、3ダムで起債の利息を含めた総額1兆94億円、栃木県の負担額約740億円(八ッ場ダム5846億円,湯西川ダム2147億円,南摩ダム2101億円)の事業に対する県議の関心の低さには驚きを禁じえません。
当会としては、今後もムダなダムについてさらに理解を深めて頂くために活動を継続する所存です。
検証作業を早急に 生活再建は国の責任で
回答者は 自民党(自) 8、民主党(民) 6、公明党(公) 2、みんなの党(み) 1、共産党(共) 1、無所属(無) 3、 計21
21名の回答を簡単に分析してみました。
Ⅰ 南摩ダムに関して
・関心がある 19/21 ない 0
・中止すべき 11(自1、民6、共1、無2、み1) 推進すべき 6(自4、公2) わからない+無回答 4
民主は全員が中止を求めましたが、自民党では推進に○をつけない方もいました。自民党では「ダム建設には基本的に賛成だが、南摩ダムは当初計画から変わってきているので中止すべき」という意見の方もありました。
Ⅱ 湯西川ダムに関して
・関心がある 18/21 ない 1
・中止すべき 6(自0、民2、共1、無2、み1) 建設すべき 7(自5、公2) わからない 2(民1、無1)
「本体工事が進んでいるので中止できない」考えているのは 11(自4、民5、公2)
Ⅲ 八ッ場ダムに関して
・関心がある 19/21 ない 0
・中止すべき 9(自0、民5、無2、共1、み1) 推進すべき 8(自6、公2)
利根川に接していない栃木県の負担額10億円について知っているのは16名でした。
Ⅳ ダム事業が中止されることになった場合、地元の地域再生、生活再建のために必要なこと(自由記述)
・特別措置法制定、地元自治体への支援、関係自治体が負担した費用の精算(民・松井)(民推・加藤)
・生活再建のための保障は手厚く(民・船山)
・長期にわたる税制上の優遇措置、一定額の補償、山林維持のためにNPOに業務委託する等(無・西)
・国と県がまず謝罪し説明責任を果たす。ダムと切り離した生活再建計画を示し地元と協議(共・野村)
・まず地元との協議(み・高橋)住民の生活保障、国の責任で再生事業を(無・本澤)
・地域コミュニティが機能する人間関係の回復、生活に支障のない環境整備にしっかり取り組む(民・山田)
・地域おこしの成功事例を参考に各地域版を立ち上げ、行政がしっかり支援すべき(無・池田)
Ⅴ その他南摩ダム、湯西川ダム、八ッ場ダムに関するご意見(自由記述)
・ダム検証作業を早急に(民・松井)(民推・加藤)さらなる検証が必要(自・横松)
・安全、安心、防災のために必要かどうかを重視して検討すべき(無・池田)
・ダムありきの建設推進はすべきでない(民・山田)
・3ダムと霞ケ浦導水事業は不必要で無駄な事業。自然環境、生活環境、地域を破壊し、真に有効な治水対策を遅らせる(共・野村)
・ダムは建設費の3倍超の維持管理費がかかり、80年程度しか使えない。非効率、ムダで地域の自然
を壊すことを考えてほしい(無・西)
・情報公開(み・高橋)住民との話し合い(無・本澤)
・基本的にダム建設には賛成。理由は21世紀は水が戦略物資となるから。南摩ダムの現計画には賛成できないが、当初に戻せば賛成(自・増渕)
アンケート全文は以下の通りです。↓
2011年3月1日
栃木県議会議員選挙立候補予定者
_________選挙区
_____________________様
ムダなダムをストップさせる栃木の会
思川開発事業を考える流域の会
事務局長 伊藤 武晴
TEL 0285-23-8505 FAX 0285-22-5608
南摩ダム、湯西川ダム、八ッ場ダム問題に関するアンケートへの協力のお願い
栃木県議会議員選挙を目前に準備にお忙しいことと存じます。私たちは南摩ダム(思川開発事業)、湯西川ダム、八ッ場ダム事業の中止を求めて活動している市民団体です。一昨年9月に発足した民主党政権は「八ッ場ダム建設中止」「全国のダム事業の見直し」を明言しましたが、その後は国土交通大臣が変わるたびにダム事業の見直しの方向性が揺らいでいます。
私たちが考える三つのダムの主な問題点は次のとおりです。
1. 必要性への疑問
(1) 利水面:栃木県水道の給水量は2000年代になってから確実な減少傾向になっています。節水機器の今後の普及と将来人口の減少を考えれば、栃木県水道の給水量がこれからも減少していくことは必至です。
(2) 治水面:南摩ダム、湯西川ダム、八ッ場ダムとも治水上の効果がわずかなものであることが明らかになっています。
2. 三つのダムがもたらすもの
(1) 3つのダムはいずれもかけがえのない自然に大きなダメージを与えます。
(2) 八ッ場ダムの予定地は地質が脆弱なので、貯水池の周辺で地滑りが起きることが予想されます。
3. 県民の巨額の費用負担
三つのダムの総事業費は、起債の利息を含めると1兆94億円(八ッ場ダム5,846億円、
南摩ダム2,101億円、湯西川ダム2,147億円)になり、そのうち、栃木県民の総負担額は約740億円にもなります。
そこで、栃木県が関係している南摩ダム、湯西川ダム、八ッ場ダムの問題についてご意見をお聞きしたいと存じます。ご多忙中恐縮ですが、別紙の質問にお答えくださるようお願いいたします。質問に対しては該当項目を○で囲んでください。ただしⅣ、Ⅴについては記述してください。
*ご回答は選挙区、お名前を明記の上、3月10日必着でFAXで返送して下さるようお願いします。FAX返送先:0285-22-5608
*ご回答、ご意見等は、ご回答の有無を含めて当会の機関誌上で発表するほか、八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会のホームページ上でも公表させていただく予定です。もちろんマスコミにも情報提供します。
本アンケートへのご協力をよろしくお願いいたします。
南摩ダム、湯西川ダム、」八ッ場ダム問題に関するアンケートの回答
Ⅰ 思川開発事業(南摩ダム)に関して
1.あなたは思川開発事業に関心がありますか はい いいえ
2.思川開発事業は中止すべきだと思いますか はい いいえ わからない
2-1中止の理由は「水需要の減少」ですか はい いいえ
2-2 〃 「治水の効果がない」ですか はい いいえ
2-3 〃 「自然環境を破壊する」ですか はい いいえ
2-4 〃 「地域社会を破壊する」ですか はい いいえ
2-5 〃 「税金の無駄遣い」ですか はい いいえ
3.思川開発事業は推進すべきだと思いますか はい いいえ わからない
3-1推進の理由は「水道水源の確保」ですか はい いいえ
3-2 〃 「治水のため」ですか はい いいえ
3-3 〃 「景気対策」ですか はい いいえ
Ⅱ 湯西川ダムに関して
1.あなたは湯西川ダム建設事業に関心がありますか はい いいえ
2.湯西川ダムは建設すべきだ はい いいえ わからない
3. 〃 は中止すべきだ はい いいえ わからない
4. 〃 鬼怒川の治水対策上必要だ はい いいえ わからない
5. 〃 水道水源確保のため必要だ はい いいえ わからない
6. 〃 景気対策のため必要だ はい いいえ わからない
7. 〃 ダム本体工事が進んでいるので中止できない はい いいえ わからない
Ⅲ 八ッ場ダムに関して
1.栃木県は利根川に最も近い地域でも約5Km離れており、利根川には接していないのに、治水負担金として約10億円を負担することについて知っていますか
はい いいえ
2.あなたは八ッ場ダム建設事業に関心がありますか はい いいえ
3.八ッ場ダムは中止すべきだと思いますか はい いいえ わからない
3-1中止の理由は「水需要の減少」ですか はい いいえ
3-2 〃 「治水の効果がない」ですか はい いいえ
3-3 〃 「自然環境を破壊する」ですか はい いいえ
3-4 〃 「地域社会を破壊する」ですか はい いいえ
3-5 〃 「税金の無駄遣い」ですか はい いいえ
4.八ッ場ダムは推進すべきだと思いますか はい いいえ わからない
4-1推進の理由は「水道水源の確保」ですか はい いいえ
4-2 〃 「治水のため」ですか はい いいえ
4-3 〃 「景気対策」ですか はい いいえ
Ⅳ ダム事業が中止されることになった場合、地元の地域再生、生活再建のためにどのようなことが必要か自由にお書きください
Ⅴ その他、南摩ダム、湯西川ダム、八ッ場ダムに関してご意見がありましたらお書きください。
ご回答ありがとうございました。ご健闘をお祈りいたします。
選挙区 お名前 政党名
(FAX返送先:0285-22-5608)