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国交省有識者会議の回答に対する「科学者の会」声明

2011年11月29日

 「ダム検証を問う科学者の会」では、11月18日に国交省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」に公開討論会を申し入れました。
 
 これに対して、国交省の有識者会議より公開討論会を拒否するとの回答が届いたため、「科学者の会」では昨日、声明文を公表したとのことです。
 
 「科学者の会」の声明文を転載します。

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 2011年11月28日

 有識者会議の公開討論会への参加拒否についての声明

 ダム検証のあり方を問う科学者の会
                    共同代表 今本博健 川村晃生

 11月25日、国土交通省河川計画課の泊氏を通じ、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」がかねて当方から要請していた公開討論会への参加を拒絶する旨、連絡が入りました。その理由としては、有識者会議は国土交通大臣の要請に基づいて大臣に意見を述べる組織であるから、一般の市民や専門家に対して説明責任を負うものではないということと、一科学者として個人的に討論会に参加しても、世間からは有識者会議の発言として受け止められてしまうこと、の二つが挙げられています。

 私たちは、科学者は常に、そして誰に対しても、自らの理念や論理に基づく科学的思考の内実を説明する責任があると考えており、またそれをもとに議論する場に参加する義務があると考えています。すなわち、国土交通大臣に意見を述べる組織であるか否かを問わず、或いは有識者会議の発言として受けとめられてしまうか否かを問わず、科学者は自らの思念や真意をすべての他者に対して説明しなければならないと考えるものです。

 有識者会議が当方の要請を拒絶されたことは、当方としてはまことに残念なことではありますが、私たちはそれのみにとどまらず、それが科学者の良心に反するものであり、科学者として敗北宣言を表明したに等しいと言わざるを得ないものと考え、ここに声明を表すものであります。
 なお、公開討論会は私たち「科学者の会」だけで催し、ダム検証のあり方を別紙のように討論することにしました。

 ダム検証のあり方を問う科学者の会(事務局・関 良基)

~~~転載終わり~~~

 12月1日の公開討論会についての情報はこちらをご覧下さい。
 https://yamba-net.org/wp/38915/