「ダム検証のあり方を問う科学者の会」(呼びかけ人11名、賛同人127名)では、12月3日、民主党「八ッ場ダム問題」分科会座長、民主党政策調査会長へ要請書を、国土交通省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」へは、再度の公開討論会の申し入れを送付したとのことです。
国土交通省の有識者会議への申し入れについては、有識者会議の中川座長より12月7日、再び国土交通省の河川計画課を通して拒絶の返事があったとのことです。
民主党の前原政調会長へ提出した要請書の全文を入手しましたので、以下に転載します。
2011年12月3日
民主党 政策調査会 会長 前原誠司 様
「ダム検証のあり方を問う公開討論会」のご報告と要請
ダム検証のあり方を問う科学者の会
共同代表 今本博健、川村晃生
八ッ場ダム事業の検証結果がすでに関東地方整備局から国土交通省に報告され、12月1日には早くも「今後の治水のありかたを考える有識者会議」にかけられ、12月7日の次回会議を残すのみとなりました。
関東地方整備局の検証結果は八ッ場ダム事業推進の結論が先にある、科学性が欠如したものであることは明白でありますので、私たちは科学者の良心として、このような検証結果で八ッ場ダム再開の是非が決定されることを看過することができません。
そこで、今回の検証の枠組みを作った上記の「有識者会議」の各委員に対して、私たち「科学者の会」のメンバーが社会に開かれた場で検証のあり方を冷静に議論する公開討論会への出席を要請しましたが、出席を拒否されました。そのため、衆議院第一議員会館において、私たちだけで公開討論会を開催し、八ッ場ダムを中心としてダム検証のあり方について議論を行いました。その結果、八ッ場ダムの検証が如何に科学性を欠いたものであるか、これからのあるべき河川行政、水行政の理念が欠如したものであるかがあらためて明らかになりました。
この公開討論会の資料をお送りしますので、民主党としての八ッ場ダム事業に対する方針決定において是非、参考にしてくださるよう、お願いいたします。
不要で災害誘発の危険性のある八ッ場ダムが造られれば、後の世代への負の遺産となり、「ダムが国を滅ぼす」ことになりかねません。民主党として賢明な判断をされることを強く要請いたします。
「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
呼びかけ人:今本健博・川村晃生・宇沢弘文・牛山積・大熊孝・奥西一夫・関良基・冨永靖徳・西薗大実・原科幸彦・湯浅欽史 ほか賛同人127名