2012年1月6日
「八ッ場ダム本体工事の再開」が焦点となった昨年12月、民主党と国交省は国交省の八ッ場ダム検証を巡って何度も文書を交換しています。これらの文書を入手しましたので、お伝えします。
(緑文字のURLをクリックすると、文書が表示されます。)
《民主党と国交省の文書交換の経緯》
●12月9日
民主党は政策調査会を通して政府に国土交通省による八ッ場ダム検証の問題点を列挙した意見書を提出。民主党からの意見書は、八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟など)による意見書と、同党の国土交通部門会議を経たより穏便な意見書との二種類。前原政調会長はこれら二つの意見書を藤村官房長官に提出。
https://yamba-net.org/wp/modules/kenshou/index.php?content_id=2
(説明文の末尾に二つの意見書原文)
●12月12日
国交省は二つの意見書についてそれぞれの回答を届けた。
民主党国交部門意見への国交省の回答
https://yamba-net.org/wp/doc/201112/1212_bumon_kaitou.pdf
民主党議連等の意見への国交省の回答
https://yamba-net.org/wp/doc/201112/1212_giren_kaitou.pdf
民主党国交部門意見への国交省の回答 補足(12月16日)
https://yamba-net.org/wp/doc/201112/1216_hosoku.pdf
●12月19日
国交省の回答が意見書に列挙した疑問点に応える内容ではなかったことから、民主党議員有志らが再反論を提出。
民主党議連等の国交省への再反論
https://yamba-net.org/wp/doc/201112/1219_saihanron.pdf
●12月20日
民主党の国土交通部門会議は、同会議に設けられている八ッ場ダム問題分科会で国交省の回答について議論し、これを受けて部門会議としての報告を前原政調会長へ提出した。八ッ場ダム問題分科会に参加した民主党議員の殆どは、国交省の回答は科学的・客観的ではなく、このまま八ッ場ダム建設の再開を決定することになれば、民主党政権はマニフェスト違反との批判に晒されることになるとの危惧を表明した。しかし、沓掛哲男衆院議員(元建設省技監、元自民党参院議員)、大西孝典衆院議員(前田国交大臣の元秘書)、池口修次参院議員(自動車総連組織内議員)ら国交省の息のかかった少数議員らの主張により、国交省を擁護する意見も部分的に採用された。
民主党国交部門の報告
https://yamba-net.org/wp/doc/201112/1220_houkoku.pdf
●12月22日
前原政調会長をトップとする民主党側と国交省の溝が埋まらないことから、前国土交通事務次官の竹歳誠官房長官の意を受けた藤村官房長官は裁定案を前原政調会長、前田国交大臣に提示。
裁定案の文面は、八ッ場ダム建設再開に当たって、国交省に二つの条件を課するものであったが、国交省はこれを八ッ場ダム建設再開の前にクリアするべき条件ではなく、「今後の取り組み」と拡大解釈し、八ッ場ダム建設再開を決定。民主党の了解を得ない同日中に前田大臣がダム予定地行きを決行。八ッ場ダム推進を求めてきた地元の自民党支持者ら、群馬県知事、国会議員らの万歳三唱の映像をテレビを通して全国に流すことで、八ッ場ダム再開の既成事実化を画策。
官房長官裁定
https://yamba-net.org/wp/doc/201112/1222_saitei.pdf
水管理・国土保全局治水課事業監理室
八ッ場ダム建設事業に関する対応方針について
http://www.mlit.go.jp/common/000186641.pdf