2012年1月19日
発売中の『世界』2月号(岩波書店)に『長野県の負の遺産、浅川ダム』の記事が掲載されています。原発でもダムでも、予定地における断層の存在は軽視されがちです。
筆者のまさのあつこさん(ダムジャーナリスト)からのお知らせ文を転載させていただきます。
「長野県の負の遺産、浅川ダム」
──治水へのマイナス効果をどう見るのか──
まさのあつこ(ジャーナリスト)
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2012/02/292.html
長野県・吉村午良県政で始まった治水・利水の県営ダムから、田中康夫県政の「脱ダム」、村井仁県政で水を貯めない治水専用のダム着工と、目まぐるしく政策転換された浅川ダムの治水が、また新たな局面を迎えている。2010年9月に「県民の皆様へ説明責任を果たしたい」との公約で当選、前政権の本体着工を前提に論点整理を行い、「継続」を決めたのが現・安陪守一知事だ。就任から1年3ヶ月、浅川ダム工事再着工から1年が経った今、工事を中断してダム堤体とダム湖を縦断する「F-V断層」という名の断層調査を命じることになった。それはなぜか。そして断層騒動の影で埋没させてはいけないことは何か。
を書きました。
知事自ら、浅川ダムが治水に対してはマイナスだと認めたわけですが、
なぜか、現時点まで、長野県では、このことが大きな問題になっていません。
長野県民の方は、税金のムダ遣いをまだ続けさせるんでしょうか。
長野県のマスコミはなぜ県民の利益を代弁しないのでしょうか。
この知事がこの浅川ダムをこの時点で止めることができなければ
日本は終わりだよなと思いながら書きました。
皆様も読んでみてくださいませ。
関連記事を転載します。
◆2012年1月17日 中日新聞長野版
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20120117/CK2012011702000127.html
ーF-V断層は「活断層」 訴訟原告団、浅川ダムの建設中止訴えー
県営浅川ダム(長野市)の建設現場でF-V断層と呼ばれる断層が露出し、県が再調査をしている問題で、事業中止を求めて長野地裁に住民訴訟を起こしている原告団(花岡邦明代表)は十六日、県に「F-V断層は明らかに活断層で、今後も活動する可能性が高い」との意見書を提出し、建設の即時中止などを求めた。県建設部は「活断層ではない」とする見解を変えずに建設を続ける方針だ。
意見書は信州大の小坂共栄名誉教授(構造地質学)と、日本地質学会名誉会員の松島信幸氏の二人が、昨年行った現地調査などを基に作成した。二十日に地裁で開かれる口頭弁論でも提出する。
会見した小坂氏らは、F-V断層の上に堆積している地層には、途切れたり、上下にゆがんだりする部分があることを挙げ「断層の活動で段差が形成されたためだ」と指摘。
断層面を挟んで、地層が水平方向に約六十メートルずれたように見えることから「繰り返し断層が動いたと考えられる」とも説明した。
その上で小坂氏は「浅川ダムの建設地は、地殻のひずみが集中して地震が頻発する一帯にある。早急にダム以外の治水対策を考えるべきだ」と述べた。
県のF-V断層再調査では昨年十月、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の専門家が「活断層ではない」との見解を報告。しかし、断層の一部にゆがみがあることなどから、県は引き続き断層周囲の砂利の成分などを詳しく調べている。今月末にも調査結果を同研究所に提出し、再び見解を求める方針。 (妹尾聡太)