政権交代後、自民党県議らの要請によって設置された群馬県議会の八ッ場ダム対策特別委員会がこのほど廃止されることになりました。
自民党県議らは八ッ場ダム対策特別委員会で民主党政権による八ッ場ダムの中止方針を批判し、八ッ場ダムの必要性を強調してきました。しかし一方で、八ッ場ダムに反対する県議らは八ッ場ダムの不用性、危険性、行政によるデータの捏造、隠蔽などを追求し、国交省から出向している八ッ場ダム担当の県土整備部長らが答えをはぐらかしたり、国交省の意見をそのまま繰り返してお茶を濁す場面がしばしば見られました。
八ッ場ダムの継続を求めてきた自民党県議らは、昨年の暮れに政府が八ッ場ダムの中止方針を撤回したことから所期の目的を達したとして、委員会の廃止を検討してきました。
八ッ場ダム対策特別委員会は、5名限定で傍聴を認めていましたが、議事録は公開されていません。
今後、群馬県議会における八ッ場ダム問題の議論は、政権交代前と同様、県土整備常任委員会で行われることになります。
関連記事を転載します。
◆2012年5月17日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581205170001
ー八ツ場特別委、廃止する方針ー
県議会は八ツ場ダム対策特別委員会を廃止する方針を固めた。16日の委員会でまとめた委員長報告を25日開会の定例議会で行い、活動を終える。
民主党政権が打ち出した建設中止に対抗する形で2009年10月に設置されたが、県議会は、昨年末の建設継続決定で役割を終えたと判断した。
同特別委は県外のダム事業の調査などを行い、建設継続などを求める意見書を繰り返し、発議してきた。今後、八ツ場ダム関連の議論は主に産経土木常任委員会に引き継がれる。
関東地方整備局によると3月末時点で用地の88%は買収済みで、移転対象の世帯の92%が移転した。
ただ、建設再開の条件の一つの「利根川水系河川整備計画」策定については、同特別委による4月下旬の調査の際も、整備局側は「進め方を検討している」などと述べるにとどまっている。