八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム予定地の埋蔵文化財

 昨日、八ッ場あしたの会と八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会では、群馬県庁記者クラブで会見を行いました。
 今週末のシンポジウムのお知らせと、今回のシンポで取り上げる八ッ場ダム予定地の埋蔵文化財の問題を伝えるためでした。

 八ッ場ダム予定地の埋蔵文化財については、当日会場で配布する資料に情報を整理して掲載しますが、情報公開請求によって群馬県教育委員会により開示された資料から、記者会見では以下の論点を取り上げました。

○八ッ場ダム予定地の埋蔵文化財の歴史遺産としての価値

○八ッ場ダム事業における埋蔵文化財発掘調査事業の問題点
 (群馬県教育委員会文化財保護課より情報開示された、国交省、県、県埋文事業団の三者による調整会議の議事録等から分析)

・群馬県は国交省に対して発掘調査には130億円かかるとしたが認められず、98億円に抑えられた。

・発掘調査の事業地面積は、当初協定の約57万㎡から07年度の再確認では約136万㎡に膨らんだ。

・調整会議の議事録は、98億円の枠内に収めるため無理な計画を立てていること、遺跡のランク付けをしていることを伝えている。

○八ッ場ダム予定地は浅間山の天明大噴火による泥流が流化したため、水没予定地全域が天明浅間災害遺跡と考えられる。当時の集落の全貌を明らかにするためには、本来、全域を一帯の遺跡と捉え、発掘調査の対象と考えるべきである。

○国交省八ッ場ダム工事事務所が発掘調査の成果をまとめる整理事業への予算配分を渋ったり、発掘成果を公にしたい群馬県に対してブレーキをかけている様子が読み取れる。

○八ッ場ダム本体工事の凍結による影響
 水没予定地内には今も鉄道、国道、住宅があり、試掘されていない場所が多い。調整会議の議事録によれば、群馬県は水没予定地内で包蔵地が増える可能性を認識しており、発掘調査事業の増額の可能性に言及。また国交省は八ッ場ダムの2015年度完成はないと説明。
 今後、仮に八ッ場ダムの本体工事が再開された場合には、中断されてきた水没予定地が発掘対象となるため、たとえ対象面積の恣意的な縮小が図られたとしても、調査期間が延長されるのは確実であり、調査費用も増大する可能性が高い。

 今朝の紙面に掲載された関連記事を転載します。

◆2012年9月19日 上毛新聞社会面

 -八ッ場建設予定地の埋蔵文化財を考える 22日・高崎でシンポー

 八ッ場ダム建設反対派の市民団体「八ッ場あしたの会」などは22日午後1時半から、高崎市の高崎シティギャラリーで、建設予定地の埋蔵文化財の重要性を知ってもらおうと、考古学者の勅使河原彰さんらを招いてシンポジウムを開く。
 18日記者会見した同会は、県教委に開示請求した資料を基に、県が県背す予定地の埋蔵文化財調査費を130億円と試算したが、国は98億円と提示したことを明らかにした。国と県、県埋蔵文化財調査事業団は2008年3月にこの額で協定を結んでいる。
 同会事務局の渡辺洋子さんは「十分な調査が行われないのではないか疑問を持っている」と指摘した。
 これに対して県教委は「試掘などをしてみないと98億円で調査が終えるか終えないか何とも言えない。だが必要な調査は必ずやる」としている。

◆2012年9月19日 毎日新聞群馬版
http://mainichi.jp/feature/news/20120919ddlk10040175000c.html

 -八ッ場ダム建設:水没遺跡に焦点、災害の危険性も 高崎で22日、シンポジウム /群馬ー

 八ッ場ダム水没予定地にある遺跡に焦点を当てたシンポジウム「ほんとうに造っていいですか? 八ッ場ダム?ダム湛水による危険性と水没する貴重な遺跡?」が22日、高崎 市高松町の高崎シティギャラリーで開かれる。

 ダム見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」の主催で、同会の渡辺洋子事務局長は「ダムに沈めてしまうにはもったいない、かけがえのない遺跡。また、地質のもろさや災害の危険性も指摘したい」と参加を呼びかけている。

 県などによると、水没予定地では、ダム工事に伴って発掘調査を実施。1783年の浅間山噴火で泥流に埋まった集落の遺跡などが発掘され、建物や茶わん、げた、梅干し、繭など、江戸時代の暮らしを生き生きと伝える遺物が見つかっているという。

 シンポジウムでは、考古学者の勅使河原彰氏や川村晃生・慶応大名誉教授、地質学者の中山俊雄氏、作家の森まゆみ氏らが登壇。遺跡の歴史的な意義付けや、ダムに水をためた場合の地滑りの危険性などについて語る。

 シンポジウムは午後1時半?4時半で、資料代500円。問い合わせは同会事務局(027・253・6706)へ。【奥山はるな】

—転載終わり—

 シンポジウムのお知らせはこちらをご覧ください。
 https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1704