八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

ウナギの供給に影響か 稚魚のシラスウナギ 極端に減少

 ウナギの稚魚の不漁が様々なマスメディアで取り上げられています。
 ウナギの生態はまだ不明な点が多くありますが、ウナギの減少の原因の一つに河川環境の悪化があります。
 当会が所属する利根川流域市民委員会は、利根川水系のウナギの復活を目指しています。かつて利根川産のウナギは、わが国のウナギ漁獲量の三分の一を占めるほどであったと言われます。利根川流域市民委員会では、利根川水系のウナギについての情報をまとめたパンフレット(A3表裏)を作成し、配布しています。以下のページをご参照ください。
https://yamba-net.org/wp/22004/

◆2018年1月19日 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180119/k10011293851000.html?utm_int=news-culture_contents_list-items_003
ーウナギの供給に影響か 稚魚のシラスウナギ 極端に減少ー

ウナギの稚魚の「シラスウナギ」は、漁獲量が極端に減少していて、消費がピークを迎える夏場以降のウナギの供給に影響が出ないか、懸念されています。

国内で消費されるウナギの大半は養殖物で、例年、12月から翌年春までのシーズンに漁獲されたシラスウナギが、養殖用の稚魚として使われます。

水産庁のまとめによりますと、国内の養殖池に去年12月に入れられたシラスウナギは0.2トンと、前の年の同じ時期のわずか3%にとどまることがわかりました。これは、今シーズンに漁獲されたシラスウナギの量が極端に少なくなっているためです。

NHKが例年、漁獲量が多い県に問い合わせたところ、宮崎県が前のシーズンの同じ時期のおよそ2%、鹿児島県がおよそ1%にとどまっているほか、静岡県では0.04%、愛知県では0.02%にとどまっています。

また、水産庁によりますと、中国や台湾でも漁獲量が少なくなっていて、ほとんど輸入できない状態だということです。ウナギの生態は解明されていない部分が多く、極度の不漁に陥っている原因はわかっていませんが、海流の変化が影響しているのではないかという見方もあります。

水産庁は「漁獲量が急激に回復する可能性もあるが、今後も少ないままだと需要期となる夏以降のウナギの供給に影響が出る可能性は否定できない」と話しています。

◆2018年1月14日 静岡新聞
http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/unagi/446007.html
ーウナギ稚魚が記録的不漁、前期の1% 静岡県内も困惑ー

 絶滅危惧種ニホンウナギの稚魚シラスウナギが今期は極度の不漁で、国内外での漁獲量が前期の同じころと比べて1%程度と低迷していることが13日、複数の関係者の話で分かった。漁は4月ごろまで続くが、このまま推移すれば過去最低の漁獲量となりかねない。シラスウナギは養殖の種苗となる。品薄で今夏のウナギがさらに値上がりするのは必至で、かば焼きは食卓からますます縁遠くなる。資源保護のため来年のワシントン条約締約国会議で国際取引の規制対象とするよう求める声も高まりそうだ。

 シラスウナギは毎年11月ごろから翌年4月ごろを中心に、台湾や中国、日本などの海岸に回遊してくる。
 海外の状況に詳しい業者によると、最初に漁が始まる台湾の今期の漁獲量は、前年の同じ時期と比べ100分の1程度に低迷。中国でも同レベルだという。
 国内で比較的早くシラスウナギ漁が始まる鹿児島県によると、漁が解禁された昨年12月10日からの15日間の漁獲量はわずか0・5キロ。43・4キロの漁獲があった前期の1%ほどにとどまった。宮崎県は漁獲量を公表していないが「今期はかなり悪い」(水産政策課)状況。関係者によるとやはり前期の1%程度でしかない。

 水産庁によると、2016年は11、12月の2カ月間で約6トンのシラスウナギが国内の養殖池に入れられたが、今期はまだゼロ。「漁の始まりとして良くないのは確かだが、これから漁が本格化する。今後の推移を見ないと何とも言えない」(栽培養殖課)としている。1960年ごろは200トン前後あった日本国内のシラスウナギ漁獲量はその後急減し、13年漁期は5トン余と過去最少を記録。その後は年15トン前後で推移している。
 減少は河川の環境破壊や乱獲が原因とされるが、海流や海水温によって回遊量や時期が変動することもあり、詳しいことは分かっていない。

 ■「こんな年初めて」 静岡県内漁師困惑
 昨年12月1日にシラスウナギ漁が解禁された静岡県でも不漁が続き、水揚げは前年を大幅に下回っている。例年、漁の本格シーズンは2月ごろになる見込みだが、浜松市の男性漁師は「そろそろ捕れても良いはず。こんな年は今までなかった」と困惑気味だ。
 天竜川の河口で海から入ってくるシラスウナギを水揚げする「天竜川白子うなぎ採捕組合」は、13日までの約1カ月半で出荷はゼロ。池田惇組合長は「捕れても数匹程度。まとまった数量がなければ出荷はできない」という。他の漁場でも不漁は深刻で、水揚げは多くても数百グラム程度にとどまる。

 シラスウナギを日本近海に運ぶ黒潮が昨年から遠州灘南で沖へ大蛇行していることも、不漁の原因と考えられる。ただ、九州や四国、台湾でも漁獲が落ち込んでいる現状に、関係者は「原因は何なのか。黒潮だけではないかもしれない」と語る。
 浜名湖養魚漁業協同組合(同市西区)によると、昨年12月から1月上旬までに持ち込まれたシラスウナギは約700グラム。1キロ(約5千匹)70万円で始まった取引価格は12日、100万円に上がった。
 一方で13日にも入荷があり、外山昭広組合長は「少しずつ漁が上向いている兆しもある」と期待する。静岡うなぎ漁業協同組合(吉田町)も現時点で1キロ程度にとどまるが、白石嘉男組合長は「静岡は例年、2月以降が本格的な漁獲となる。まだ焦る時期ではない」と話した。