2011年7月の新潟・福島豪雨の只見川氾濫の浸水被害は、水力発電ダムの堆砂を取り除かなかったことが原因だとして、金山町の住民が東北電力と電源開発の二社を訴えた裁判の判決が3月26日にありました。老朽化した発電ダムの堆砂問題は深刻で、このまま放置すれば、只見川と同様の水害が各地で繰り返される可能性がありますが、司法がダムに関わる裁判で原告住民の主張に理解を示すことは稀です。今回も住民側の敗訴という理不尽な判決でした。
原告の約半数がこの判決を不服として控訴する方針を固めたとのニュースが流れています。しかし、原告の半数は高齢化により、控訴を断念するとのことです。水害が発生してから7年の歳月が過ぎようとしています。
◆2018年3月31日 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2018033150413
ー原告側控訴の方針 新潟・福島豪雨訴訟 一部は断念
2011(平成23)年の新潟・福島豪雨で只見川氾濫による浸水被害を受けた住民がダム管理者の東北電力と電源開発に損害賠償を求めた訴訟で、原告は請求棄却の判決を不服として控訴する方針を固めた。30日に金山町で開いた会合で申し合わせた。
原告団34人のうち少なくとも17人が控訴する。残る17人の一部は高齢による体の衰えなどを理由に控訴を断念する意思を示している。
原告団事務局長の黒川広志さん(76)=金山町=は「注意義務違反と水害との因果関係を認めないという判決には納得できない」と話した。
地裁会津若松支部は26日の判決で、東北電力の注意義務違反を認定した一方、浸水被害との因果関係は認められないとして原告の請求を棄却した。
◆2018年4月1日 毎日新聞福島版
https://mainichi.jp/articles/20180401/ddl/k07/040/049000c
ー新潟・福島豪雨 只見川ダム訴訟 控訴へ 原告側、1審判決不服で /福島ー
2011年7月の新潟・福島豪雨で浸水被害を受けた金山町の住民ら34人が只見川氾濫の責任を問いダム管理者の東北電力とJパワー(電源開発)を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、原告側は請求を棄却した福島地裁会津若松支部の判決を不服として仙台高裁に控訴する方針を決めた。
30日に町開発センターで開いた集会で表明した。原告団の中には高齢などを理由に訴訟の継続を諦める住民もいるため、控訴の意思を示しているのは34人のうち少なくとも17人という。