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「水道事業が破綻する」市民団体が問題点指摘 霞ケ浦導水でシンポ

 霞ヶ浦導水事業をめぐって、那珂川水系の8漁協が国を提訴した裁判は、4月27日に東京高裁で和解が成立しました。国を相手にした裁判では勝訴の見通しが立たないことから、原告側は和解の道を選びましたが、問題が解決したわけではなく、導水事業がどうなっていくのか、心配されるところがあります。
 8月29日に国交省が発表した概算要求では、霞ヶ浦導水事業の来年度予算額は27億円超と今年度より増額されていますが、以下の東京新聞の記事では、「事業は着工から三十年以上たち、トンネル(導水路)は三割超しか完成していない。用水の確保と霞ケ浦の浄化が目的だが、(人口減少の時代に)水需要への疑問は根強く、清流の那珂川の生態系が破壊される懸念が出ている。」としています。

◆2018年8月14日 東京新聞茨城版
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201808/CK2018081402000144.html
ー「水道事業が破綻する」市民団体が問題点指摘 霞ケ浦導水でシンポー

 霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ霞ケ浦導水工事を巡り、地元漁協などが国に差し止めを求めた訴訟の和解を受け、市民団体が「『和解』で良いのか霞ケ浦導水事業」と題したシンポジウムを土浦市内で開き、事業の問題点を指摘した。

 反対運動を続ける市民団体「霞ケ浦導水事業を考える県民会議」が主催。シンポジウムは十二日にあり、市民団体代表ら四人が意見発表し約四十人が参加した。

 市民団体「茨城県の水問題を考える市民連絡会」の神原礼二さんは、事業の前提となった県内人口の予測が、実際と大幅に異なっていることを説明。維持費などは水道料金に上乗せされるため「人口減少でインフラを縮小しなければいけないのに、この事業で水道事業が破綻する」と訴えた。

 霞ケ浦の浄化効果についても、別の出席者は「国が選んだ学識者の立場も『効果がないと言えない』『悪くはない』など。大いに効果ありと公に言える人はいないだろう」と述べた。

 事業は着工から三十年以上たち、トンネルは三割超しか完成していない。用水の確保と霞ケ浦の浄化が目的だが、水需要への疑問は根強く、清流の那珂川の生態系が破壊される懸念が出ている。 (宮本隆康)

◆2018年8月30日 茨城新聞 1面と20面の記事