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秋田県の鳥海ダム、成瀬ダムに次いで国交省東北地方整備局が計画策定

 国土交通省東北地方整備局が成瀬ダムに続く大型ダム事業として、秋田県内で推進しているのが子吉川に建設予定の鳥海ダムです。成瀬ダムは雄物川の流域面積に対して集水面積が1.4%しかなく、雄物川の治水対策として無意味なダムですが、9月15日に本体工事の着工式が行われました。

◇国土交通省東北地方整備局 鳥海ダム工事事務所
 http://www.thr.mlit.go.jp/chokai/

 鳥海ダム事業では、現在、環境アセスの手続きが終わって、ダム建設基本計画の策定作業に入っています。
 http://www.thr.mlit.go.jp/chokai/180810_kisya.pdf
 「鳥海ダムの建設に関する基本計画の作成手続きについて」(平成30年8月10日)

 上記の「基本計画(案)」には総事業費約1100億円、2028年度完成予定とあります。1100億円は少額ではありませんが、ダム事業は通常「小さく生んで大きく育てる」ものですから、事業費はこれより多額になると考えられます。人口減少がますます顕著になる中、今さら鳥海ダムのような新しいダムが必要とは思われませんが、成瀬ダムに続く大型ダム事業として、建設業界等から求められているのでしょう。

 鳥海ダムに関する記事をお送りします。

◆2018年9月24日 秋田魁新報
https://www.sakigake.jp/news/article/20180924AK0019/
ー砂や小石堆積、木々茂る 由利本荘市の鳥海ダム建設予定地ー

 秋田県由利本荘市鳥海町百宅(ももやけ)地区への建設が計画される鳥海ダム。2028年度の完成を目指し、現地では今、地質調査が行われている。国土交通省のダム工事事務所職員の案内でダムサイト(建設予定地)を歩いた。

 好天に恵まれた18日、ダム建設で水没する百宅集落の東側から市道百宅線で法体(ほったい)の滝方面へ向かった。のどかな田園風景が広がり、住民の姿もちらほら。ここがあと10年ほどでダム湖に沈むとは、にわかに信じがたい。

 移転に伴う補償対象家屋は37戸70人(3月末現在)で、百宅線をはじめ、水没する市道や林道13路線は、いずれも付け替え道路を整備する予定だという。

 集落に入り、西へ4キロほどの地点で停車。作業員が出入りする場所からダムサイトへ向かうと、つり橋が見えてきた。下を流れるのは子吉川。作業員用の細い橋には「定員5人」の注意書きも。恐る恐る渡ってさらに進むと、開けた土地が現れる。ここがダムサイトだ。車の停車地点からはおよそ500メートルだった。

 一帯は、子吉川と百宅川の合流地点の近く。二つの川の上流から流れてきた砂や小石が、長い年月をかけて堆積しているという。職員によると、ダム建設には固い基礎地盤が必要なため、ダム本体はここを40メートル掘り、堆積物を取り除いた岩盤の上に築く。

 鳥海ダムは、砂や小石にセメントと水を混ぜて造る「台形CSGダム」という新しい型式のダムになる。掘削で生じた砂や小石もダムの材料として再利用するため、環境に優しく、コスト縮減にもつながるそうだ。

 そんな説明を受けながら、再び車で移動。近くの林道を上ってダムサイト右岸上部へ向かった。途中、ガードレールにはパネルが設置され、ここから下を見た時、ダムサイトがどう見えるかを写真の中に赤い点線で記していた。

 現場周辺には木々が覆い茂り、まだダムをイメージはできない。同行してくれた小嶋光博副所長は「どんなダムをどこに造ろうとしているのか多くの人に知ってほしい。出前講座も行っている。どんどん活用して」と話した。