八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

石木ダムの必要性説く佐世保市広報に疑問、市民ら公開質問

 長崎県の石木ダム事業の主目的は、佐世保市への水道用水の供給です。
 佐世保市は人口が減少し、水需要が低迷していますが、市の広報で水不足への不安を煽り、石木ダムが必要だと説明してきました。

 このほど、石木ダムに反対する市民らが佐世保市に公開質問状を提出し、市に広報の説明の根拠を質しています。
右グラフ=石木川まもり隊のサイトより http://ishikigawa.jp/what/

 広報紙によるダム事業のプロパガンダは、八ッ場ダムにおいても行われてきました。ダム予定地を抱える群馬県吾妻郡では、何種類もの広報紙が新聞折込等で各戸に配布された時期もあり、住民はこれほど国が広報に力を入れているのだから、ダム事業は止まらないのだろうと受け止めたと言われます。八ッ場ダム事業に参画している東京都水道も、広報紙で八ッ場ダムのプロパガンダを行ってきましたが、遠くのダムだけに、都民にはピンとこなかったかもしれません。

◆2018年11月14日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20181114/ddl/k42/010/222000c
ー石木ダム 佐世保市に公開質問状 反対4団体、「必要性」回答要求ー

  県と佐世保市が川棚町に建設計画を進める石木ダムに反対する市民団体4団体が13日、ダムの必要性を説く同市広報の連載に関する公開質問状を同市に提出した。

 同市の「広報させぼ」は今年6月号から「シリーズ 佐世保の水事情と石木ダム」として毎月、過去の渇水、同市の利水計画などを紹介して石木ダムの必要性を訴えている。

 「石木川まもり隊」など4団体が提出した質問状では、「1994年度のような大渇水に見舞われると計り知れない影響がある」とする根拠▽既存の老朽化ダムへの対策▽水需要予測と現実の乖離(かいり)など大きく6項目について、市民が集まる公開の場での回答を求めている。同市の堀居隆二・秘書課長は「対応を協議したい」と応じた。

 石木川まもり隊の松本美智恵代表は「公開の場で説明、意見交換して理解も深まる。そうして進めるのが本来の公共事業のあり方だろう」と話している。【綿貫洋】

◆2018年11月14日 長崎新聞
https://this.kiji.is/435245102053196897?c=39546741839462401
ー市広報紙に「疑問の声」 佐世保 市民団体が公開質問状ー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設問題で、ダムに反対する市民団体「石木川まもり隊」(松本美智恵代表)など4団体は13日、必要性を訴える市広報紙の内容について「市民から疑問の声が出ている」として市に公開質問状を出した。公開の市民説明会を開いて回答するよう求めている。

 質問状は朝長則男市長ら宛て。市は毎月発行する広報紙「広報させぼ」の6月号から「佐世保の水事情と石木ダム」と題したシリーズを開始。1994年の大渇水が再来した場合の影響の大きさのほか、老朽化した既存のダムは今後の改修で水を抜く必要があるとして、石木ダムの建設促進を主張している。

 質問状は「人口減少や節水機器の普及で水需要は減少している」として、大渇水時と現在の給水量などを質問。ダムの改修について「最近の工事は水をためた状態で可能」と強調し、水道管の漏水対策を急ぐべきではないかと疑問を呈した。

 市役所で会見した松本代表は「広報紙は一方的な内容。市は市民とコミュニケーションをしてほしい」と述べた。市秘書課は取材に「回答方法を考え、対応する」としている。