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最上小国川ダムの事業費、88億円に 4億円増、豪雨で完成9カ月遅れ

 山形県の事業である最上小国川ダム事業は、ダム建設に反対する最上小国川の漁協組合長を自死に追い詰めてまで強引に進められてきました。 
 最上小国川ダムは八ッ場ダムと同様、ダム本体のコンクリート打設が9割に達し、来年度中(2019年3月末)に完成の予定だとのことですが、既成事実が積み重ねられる中で、事業費の再増額が決まりました。
 最上小国川ダムは清流への影響を少なくするために流水型ダム(穴あきダム)として建設されますので、普段は水を貯めず、洪水の時だけ貯水されます。ダムの建設目的は「治水」(洪水調節)ですが、最上小国川ダムの集水面積は流域の9.3%しかなく、「治水」は名目でしかありません。

 右写真=山形県公式サイトより 「最上小国川流水型ダム事業概要」より、最上小国川ダム定礎式(2017年6月13日)
 https://www.pref.yamagata.jp/ou/sogoshicho/mogami/314074/mo_dam.html

 最上小国川ダム建設の差止を求める住民訴訟は、今年3月19日に山形地裁で判決が出されることになっています。
 

◆2019年1月19日 山形新聞
http://www.yamagata-np.jp/news/201901/19/kj_2019011900355.php
ー最上小国川ダムの事業費、88億円に 4億円増、豪雨で完成9カ月遅れー

  最上町で建設が進む最上小国川ダムに関し、県は18日、同ダムの総事業費を4億円増の88億円とする方針を明らかにした。透水性の高い地盤を改良する必要が確認されたことなどが要因。昨年8月の豪雨の影響で工事が進まず、完成予定時期は2019年度内と変わらないが、当初よりも9カ月ほど遅れ20年3月になる見通しとなった。学識経験者などで構成する県の第三者機関は同日、事業継続を妥当とした。

 山形市の県自治会館で開かれた県公共事業評価監視委員会(委員長・貝山道博東北文化学園大総合政策学部教授)で説明した。県によると、堤体(ダム本体)のコンクリート打設工事の進捗(しんちょく)率が90%を超えるなど建設は終盤に入っている。一方で地盤を安定させる基礎処理工事を巡り、これまでセメントを注入して改良を重ねてきたものの、いまだに多くの亀裂が岩盤にみられることなどから追加工事が必要となったという。

 また昨年の豪雨で工事が遅延したため、骨材貯蔵施設など仮設備設置に関する新たな費用が生じた。工程変更も余儀なくされ、実際に水をためて安全性を確かめる試験湛水(たんすい)ができず、今年秋以降に実施する予定となった。

 この日の協議で委員からは、基礎処理の費用を巡り「なぜこのタイミングでの増額なのか」との質問が出た。県は「ある程度施工を進めないと(地盤の)全体像をつかめない部分がある」と説明した。

 同ダムの事業費を巡っては当初70億円を見込んでいたが、労務費や資材費の高騰などの影響で16年度に84億円に増やしていた。県は今後、国に対して計画の変更を申請する。認可された後、県議会に関連予算案を提出する。