国土交通省は霞ヶ浦導水事業において、地下利用の権利を地権者から強制的に取得するため、土地収用法に基づく事業認定の手続きに着手すると発表しました。
霞ケ浦導水事業は工期がたびたび延長され、事業費も膨らんできました。現在、完成予定は2023年度となっていますが、当初計画では1993年度完成予定でした。7日付の東京新聞の記事では、「既に千九百億円の事業費の約八割が費やされており、最終的な金額はさらに膨らむとみられている」としています。
2月15日には事業認定の手続きにについての説明会が予定されています。
★国土交通省関東地方整備局ホームページより転載
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/dousui_00000032.html
事業認定申請に向けた説明会の開催について
霞ヶ浦導水事業については、これまで多くの地権者の方にご協力いただき、現在、事業の進捗を図っているところです。
このうち、石岡トンネル区間においては、必要な用地の約94パーセントの区分地上権を設定しているところですが、一部の土地において、現時点では任意による解決が困難な状況となっています。このため、任意交渉だけではなく、土地収用法に基づく権利取得も視野に入れた手続きにも着手することとしました。
つきましては、土地収用法第15条の14に基づき、事業認定申請に向けた説明会を下記のとおり開催することとしましたのでお知らせします。
起業者の名称及び住所
国土交通大臣(東京都千代田区霞が関二丁目1番3号)
事業の種類
霞ヶ浦導水事業(第1導水路(水戸トンネル・石岡トンネル)及び第2導水路)
開催日時:
2月15日(金)18時30分~20時(受付開始:18時)
会場:
小美玉市生涯学習センターコスモス(玉里文化ホール)
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関連記事を転載します。
◆2019年2月7日 東京新聞茨城版
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201902/CK2019020702000152.html
ー霞ケ浦導水事業 地下利用権、強制取得へ 初の事業認定手続きー
水質浄化などを目的に霞ケ浦と那珂川、利根川をトンネルで結ぶ霞ケ浦導水事業で、国土交通省は六日、地下利用の権利を地権者から強制的に取得するため、土地収用法に基づく事業認定の手続きに着手すると発表した。導水事業での事業認定申請は今回が初めて。効果が未知数とも指摘される巨大公共事業が、仕上げに向け動きだしている。(越田普之)
国交省関東地方整備局霞ケ浦導水工事事務所によると、事業認定を検討するのは、霞ケ浦と那珂川をつなぐ那珂導水路(四十三キロ)のうち、水戸市から石岡市にかけての石岡トンネル(二四・七キロ)の一部区間。土地の相続問題や事業に対する反対などで十件ほどの交渉が難航しているという。
事業を巡っては昨年四月、那珂川の漁業者らが生態系に影響が出るとして国に工事差し止めを求めた訴訟が和解。国はこれを機に二〇二三年度の工期を守るため、着工を急ぐ姿勢を見せる。今回の事業認定で、測量など事前準備に速やかに着手したいとしている。
手続きの一環として、十五日午後六時半から小美玉市生涯学習センターコスモスで、利害関係者を対象とした説明会を開く。ただ、事業認定の申請時期は未定で、補償交渉は今後も続けていくとしている。
国は三十年以上前に工事を開始し、利根川につながる利根導水路(二・六キロ)を完成させたが、那珂導水路は三十キロ近くが未完成。水質浄化の効果に疑問符が付けられる中、既に千九百億円の事業費の約八割が費やされており、最終的な金額はさらに膨らむとみられている。