長崎県は石木ダムの2019年度予算工事費としてダム本体工事費5億円を含む約19億1800万円を計上しましたが、ダム本体工事費分は5千万円しか国が認めず、全体で8億円減額の11億1800万円になりました。
石木ダム予定地では13世帯の住民が団結してダム反対闘争を半世紀続けており、最近は全国に支援の輪が広がっています。長崎県はもともと本体工事に入れるような状況ではないにもかかわらず、「本体工事」の名目で地元へ脅しをかけることによって、無理やり事業を進めようとしたのでしょうが、ダム本体工事費分とされたのは5千万円ですから、実態を伴わないのは明らかです。
国土交通省は石木ダムの事業費を減額しながら、一方では関連事業の拡大を可能とする「水源地域指定」という、一見矛盾することを行っています。ダム建設による「治水」と「利水」は名目にすぎず、ダム事業を続けることによって税金をばらまくことが目的だからなのでしょう。
関連記事を転載します。
◆2019年3月30日 長崎新聞
https://this.kiji.is/484533728169821281?c=39546741839462401
ー国の補助金少なく 石木ダム予算減額 長崎県、8億円分ー
長崎県や佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業について、県は29日、国土交通省が決定した補助額が見込みより少なかったため、新年度当初予算に計上している関連事業費を8億円減額し、11億1800万円にしたと発表した。ダム本体工事費は約4億5千万円減額し、5千万円となる。
長崎県は新年度当初予算で石木ダム関連事業費として、付け替え県道やダム本体の一部の測量設計費、工事費など19億1800万円を計上していた。
国は同日、石木ダムと本明川ダム(諫早市)について、水没地と周辺を水源地域対策特別措置法に基づく「水源地域」に指定した。
◆2019年3月30日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20190330/ddl/k42/010/624000c
ー石木ダム 水没予定地など「水源地域」指定 /長崎ー
県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムについて、県は29日、水没予定地と周辺地域が、水源地対策特別措置法に基づく「水源地域」に指定されたと発表した。県が1月に国交相に申請していた。
指定されたのは川棚町の岩屋郷、木場郷、石木郷の区域。水源地域は、整備を予定する公園や道路の工事に国交省の補助が優先的に受けられる制度で、県は今後、佐世保市や川棚町と整備計画を作成する。
また、県は2019年度の石木ダムの事業費は国の補助を含めて11億1800万円(18年度比3億4400万円増)に決まったことも明らかにした。本体工事費を初めて計上している。
諫早市の本明川ダムの水没予定地と周辺地域も同日、水源地域に指定された。【浅野孝仁】
◆2019年3月30日 テレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/20190330240653/
ー石木ダムが水源地域に指定ー
県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムについて、国は、29日 本明川ダムとともに水源地域に指定しました。
水源地域の指定は、ダムの建設によって、水没予定地域やその周辺の環境が受ける影響を緩和するため、周辺のインフラ整備などを優先的に進めるものです。
県は、今年1月、東彼・川棚町に建設を計画している石木ダムについて、水源地域の指定を申請していました。また、石木ダムの事業費としておよそ11億円が来年度の国の予算に計上されました。この中には初めてダム本体の工事費も含まれていますが、反対地権者は工事の中止を求め、抗議活動を続けています。