八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

利根川水系・鬼怒川上流ダム湖の水陸両用バス

 ダム湖観光に水陸両用バスを導入する動きがあります。
 八ッ場ダムは来年3月末に完成予定とされ、地元の長野原町ではすでに八ッ場ダムの関係都県の資金を使って水陸両用バスなどを発注しているそうです。
 八ッ場ダム湖の水陸両用バスを運航するという日本水陸両用車協会(ダックツアー)は、長野県の諏訪湖や長崎県のハウステンポスのほか、栃木県の利根川支流・鬼怒川上流の湯西川ダム(日光市)でも運航されています。水陸両用バスもダムを抱える地域の衰退を食い止める力にはなっていませんが、マスコミでは国交省が強力に推進するインフラツーリズムの一環として、大きく取り上げています。
 八ッ場ダム湖は7月から9月の観光シーズンは、洪水に備えて水位を最低でも28メートル(渇水年は40メートル以上)下げることになっていますが、ダックツアーはどのように運航されるのでしょうか?

 湯西川ダムと川治ダムのダックツアー
 http://www.japan-ducktour.com/yunishigawa/

 
 参考までに、栃木版の新聞記事をお伝えします。

◆2019年4月13日 毎日新聞栃木版
 https://mainichi.jp/articles/20190413/ddl/k09/040/013000c?pid=14516
ー水陸両用バス 川治ダムでも運行開始 地上60メートルの作業用通路歩く体験実施 湯西川ダムと2コースに /栃木ー

 日光市の湯西川ダム湖を巡る水陸両用バスの運行が12日、始まった。ダム人気の高まりを受け、今年は同市の川治ダムも加わり、2コースで運行される。川治ダムコースでは目玉企画として、ダム本体に設置している地上約60メートルの作業用通路を歩く体験も実施する。

 水陸バスは社会実験として2006年度に川治ダムでスタート。13年度からは完成したばかりの湯西川ダムを巡るルートになり、ダム湖遊覧とダム施設を見学できる人気の観光コースとなった。

 運行する水陸両用バス導入協議会によると、近年はダムや橋、大きな公共土木施設がインフラツーリズムとして注目を集めている。同協議会はこうした流れを生かして集客を進めようと、国土交通省の協力を得て川治ダムコースを復活し、通常は非公開の高さ約60メートル、幅約1メートルの通路を歩く「キャットウォーク体験」を取り入れた。

 この日は、同市湯西川の観光施設「湯西川水の郷」で式典を行った後、始発便の湯西川ダムコースが出発。バスは豪快な水しぶきを上げながら湖面に進入した後、ゆっくりと湖上を遊覧した。周辺の山肌は雪に覆われ、風も冷たかったが、試乗した関係者たちは船旅を楽しんだ。

 湯西川ダムコースは「水の郷」発着で大人3000円。川治ダムコースは道の駅「湯西川」発着で大人3300円。それぞれ湖をクルーズし、ダム施設を巡る。問い合わせは湯西川ダックツアー(0288・78・0345)。【花野井誠】

◆2019年4月10日 朝日新聞栃木版
https://digital.asahi.com/articles/ASM494526M49UUHB005.html?iref=pc_ss_date
ーダム施設を見学する「ダックツアー」12日からー

 日光市の湯西川ダム湖を水陸両用バスで巡り、ダム施設を見学するダックツアーが12日から始まる。今期から下流の川治ダム周遊コースを加え、2コースでの運行となる。川治ダムのコースには、ダムの壁沿いにある地上60メートル、幅1メートルの通路をネコになった気分で歩く「キャットウォーク」が楽しめる。静かなダム巡りブームの中、ゴールデンウィークに足を運んでみようかという動きに弾みをつける企画になりそうだ。

 水陸両用バスは、湯西川ダムの完成後、野岩鉄道の湯西川温泉駅から湯西川温泉までの約10キロを、ダム湖上を巡りながら結ぶことで集客を図る地域振興策として計画された。当初は同ダムが完成するまでの実験として、国土交通省関東地方整備局湯西川ダム工事事務所が主体となって湯西川温泉駅を発着点に川治ダムを周遊するコースが2006年度から運行された。08年度から水陸両用バス導入協議会が受け継ぎ、13年7月から湯西川ダムの周遊コースに代わった歴史がある。定員40人で、18年度の乗客数は2万1437人だった。

 湯西川ダムコースは発着場所が湯西川・水の郷に変更になり、湯西川ダム施設見学後に湯西川湖をクルーズ。川治ダムコースは道の駅・湯西川の発着で、川治ダム施設を見学し、ダムがせき止めた八汐湖をクルーズする。同ダム施設では、ダム本体の状況を作業員が点検するための「点検歩路」を通行できるよう開放し、キャットウォークが体験できるコースにした。

 水陸両用バスで陸から川に入る際に水しぶきが上がる「スプラッシュ・イン」の迫力ある瞬間も魅力の一つ。水面に浮かぶバスからの風景と、春を彩る花や野鳥が心を癒やす。運行は12月1日まで。

 いずれのコースも午前9時から4便(ただし湯西川ダムコースは7月20日~8月25日、川治ダムコースは4月27日~8月25日はともに5便)。旅行代金は湯西川ダムコースが大人3千円、小学生以下2千円、幼児(2歳以下)500円。川治ダムコースは大人3300円、小学生以下2千円、幼児500円。問い合わせは湯の郷湯西川観光センター(0288・78・0345)へ。(梶山天)