八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場のバンジージャンプ

 八ッ場ダムの水没予定地に架かる八ッ場大橋は、四本の湖面橋の中で最もダム堤に近く、橋脚が高い橋です。
 ダム堤はほぼ完成したものの、関連工事や発掘調査が終わっていない八ッ場では、10連休のゴールデンウイークを控え、ダム観光を盛り上げようと、この八ッ場大橋にバンジージャンプの施設がつくられました。(写真右下)
(写真右:建設中の八ッ場大橋。2012年11月12日、水没予定地にあった川原湯温泉街の入口アーケード付近から撮影。)

 こちらが「八ッ場バンジー」のサイトです。
 http://www.bungyjapan.com/yamba/

 4月20日の初日には、地元、長野原町の萩原町長もバンジーを体験したとのことで、動画も公開されています。
 報道によれば、萩原町長は、「水をためるだけでなく、ダムがみんなの楽しみやつらさなど、さまざまな思いを受け止める場所になってくれれば」「八ッ場を『問題』ではなく『ブランド』にして話題を発信したい」と語ったということです。半世紀にわたるダム計画によって、地元の犠牲があまりにも大きいことから、これから完成するダムに犠牲の埋め合わせを期待する声があがるのでしょう。けれども2014年に完成した八ッ場大橋では、すでに飛び降り自殺もあり、地元民の中には「湖面橋から飛び降りて亡くなった人が何人もいるのに、どうしてバンジージャンプなんか楽しめるのかね。」という声もあります。
 ダムに水が貯まるまでは日本一の高さという八ッ場バンジー。ダム完成後、果たしてどれだけ集客できるのでしょうか?

◆2019年4月20日 群馬テレビ
https://www.youtube.com/watch?v=ujbqOeBJBEI&feature=youtu.be&fbclid=IwAR172aetkQIxOHRO6UG9Yxx84B5J6Gq5x0is_PWiEUI4HBLh8K7aHR-nsdg
ー群馬・長野原 ダム完成前に“八ッ場バンジー”オープンー

 観光PRを展開する群馬プレデスティネーションキャンペーンに合わせて、今年度完成する予定の八ッ場ダム(群馬県長野原町)近くの橋で、日本一の高さから楽しめるバンジージャンプがオープンした。20日は長野原町の萩原町長が駆けつけ、ファーストジャンプを体験した。八ッ場バンジーは今年は10月末までの営業。

◆2019年4月21日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/126564
ー106メートルダム底ジャンプ 八ツ場バンジー営業開始ー

  来春に完成を予定する八ツ場ダムに架かる八ツ場大橋(群馬県長野原町)からのジャンプが楽しめる施設「八ツ場バンジー」が20日、オープンした=写真・AR。町などによると、地上からの高さは106メートルになる。今秋、ダム本体に試験的に水をためる予定で、その時は水面までの高さが最大50メートル程度になるが、それまでは日本一の高さだとしている。

 営業開始前に、オープンを記念して萩原睦男町長(47)がスーツ姿でファーストジャンプ。橋の上から見守った町民の声に後押しされ、大役を終えた。萩原町長は「すごく怖かったが最高。まだ足ががくがくする」と苦笑い。ダム建設の賛否を巡る対立が長年続いたことに触れ「水をためるだけでなく、ダムがみんなの楽しみやつらさなど、さまざまな思いを受け止める場所になってくれれば」と期待を込めた。

 この日は一般客30組程度がジャンプを楽しんだ。人生で5度目の挑戦という小林順一さん(68)=前橋市=は「ダム湖に水がたまれば、また違った景色が楽しめる」と声を弾ませた。

 地元の住民も歓迎した。橋の上から見守った桜井祐喜さん(62)は「県外からの多くのお客さんでにぎわってくれるのはうれしい。観光名所になってくれれば」と願う。

 町の担当者によると、ダム湖への水陸両用バスやカヌーなどの導入も進めており、アウトドアファンの取り込みを目指す。

 施設は、みなかみ町でバンジージャンプを行うスタンダードムーブ(東京都)が運営。今季の営業は10月下旬まで。料金は2万円。体重40~105キロの15歳以上が対象。問い合わせは同社(0278-72-8133)へ。

◆2019年4月21日 毎日新聞 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20190421/ddm/001/040/166000c
ー群馬・八ッ場ダム 平成残り10日 新時代へジャンプ 山あいの町、政治が翻弄ー

 「3、2、1、バンジー!」。20日午前、山あいの町に歓声が響いた。

 群馬県長野原町に建設中の八ッ場(やんば)ダムの水没予定地にかかる橋に、バンジージャンプの施設が完成し、約30人が体験した。「足ががくがくした」。萩原睦男町長(47)は顔を紅潮させて語った。「八ッ場を『問題』ではなく『ブランド』にして話題を発信したい」。落差106メートルは国内最大という。

 近くでレストランを営む樋田省三さん(54)はランチタイムの準備に追われていた。「たくさんの人が来てくれたらいいんだけど」

 戦後の長い反対運動を経て住民がダム建設に合意し、町と県、国が協定を結んだのは平成に入ってからの1992年。予定地で旅館を経営していた樋田さんはこの時期に移転を決めた。

 ところが、2009年の民主党政権発足を機に、ダムは「無駄な公共事業」とされ、計画は中止に追い込まれた。

 総事業費5320億円のダム建設は必要なのか樋田さんにはわからなかったが、移転先で旅館業を再建するため中止に反対するしかなかった。2年後、国は再び建設へとかじを切った。ダムは造るべきなのか、答えはまだ出ていないが、「次の時代こそ前に進みたい」と樋田さんは言う。・・・(以下略)

◆2019年4月29日 テレビ朝日
http://news.livedoor.com/article/detail/16391920/
ー響け絶叫!「八ツ場ダム」に日本一の〇〇登場ー

 平成も残すところあと2日となったが、あの八ツ場ダムが驚きの変貌を遂げていた。売りは、高さ日本一のバンジージャンプだ。

 群馬県長野原町。山奥に車を走らせると八ツ場ダムが建設されている。計画から70年、住民の反対運動などもあり、紆余曲折(うよきょくせつ)を経て今年度、令和元年度に完成予定だ。すると、聞こえてくるのは絶叫。そう、今ここで行われているのはバンジージャンプだ。ダムが完成するまでの間、期間限定で楽しむことができる。橋からの高さは106メートル。橋からは次々と人が飛び降り、その度に絶叫が響き渡る。建設中の八ツ場ダムを見ながら飛び降りるのも魅力の一つだ。

 八ツ場ダムでのバンジージャンプはイメージアップを図るための新たな一手だという。そして、このバンジージャンプでできるもう一つの楽しみが固定カメラの貸し出しだ。飛び降りる際の自分の表情を楽しめる。

 度胸試しに来たという男性は1人バンジーに挑戦。上空106メートルからは腹の底から声を出した悲鳴が響き渡る。しかし、男性に悲劇が…。飛び方を間違えると靴を落としてしまう可能性があるため注意が必要だ。本来は頭から落ちるのが正しい方法だという。下は工事地域のため取りに行くことは不可能だ。男性は、偶然持ち合わせていた作業用の靴で帰る羽目になった。

◆2019年5月3日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190503/k10011904451000.html
八ッ場ダムに100m超のバンジージャンプ 群馬 長野原町

建設が進められている群馬県長野原町の八ッ場ダム(やんば)に、期間限定で高さ100メートル余りのバンジージャンプが登場し、人気を集めています。

このバンジージャンプは、来年春の完成を目指して建設が進められている八ッ場ダムで自然をダイナミックに楽しんでもらおうと、長野原町が誘致した会社が先月から始めました。

ジャンプ台は、ダム湖になる予定の渓谷に架かる「八ッ場大橋」に設置され、運営会社によりますと、水をためる前の高さは106メートルと期間限定で日本一で、多くの観光客が訪れているということです。

東京 大田区から来た30代の男性は、「日本一と言うだけあり、落下する時間を長く楽しむことができました。とても気分がよかったです」と話していました。

このバンジージャンプは事前の予約が必要で、大型連休中、毎日行われます。ダム湖にはことしの秋以降、水がためられ、バンジージャンプの高さは半分ほどになりますが、その後も楽しめるということです。

写真下=バンジージャンプの正面左手には二社平の地すべり地があり、安全対策のための押え盛土が吾妻川の流路にまで達している。盛土の土量は14万立方メートル。