国土交通省九州地方整備局が進めている大分川ダムでは、ダム堤が完成し、2018年2月に試験湛水が始まりましたが、予定されていた今月までに試験が終わらず、梅雨入りを前に一旦試験湛水を中断することになったとのことです。
大分川ダムの総貯水容量は約24,000千m3ですが、洪水調節容量が約14,300千m3もあります。洪水期(7/1~9/30)には洪水に備えてダムの水位を下げることになっており、ダムを満水にすることができないのです。八ッ場ダムは総貯水容量が大分川ダムの四倍以上ありますが、試験湛水の期間は今年度の下半期の約半年しかありません。
◆2019年5月22日 テレビ大分
https://www.tostv.jp/news/4427.html
ー大分川ダム 耐久性などの試験を中断ー
建設中の大分川ダムについて、国交省の工事事務所は耐久性などの確認のために必要な水をためる試験を中断し、ことしの秋以降にやり直すことにしました。
大分市下原の大分川ダムは洪水被害の軽減や水道用水の確保のため建設が進められています。ダム本体の工事はすでに終わっていて去年2月からは耐久性や水漏れの有無を確認するため最高水位まで水をためる試験が行われてきました。この試験は今月、完了する予定でしたが去年の秋以降雨が少なかったため予定通りに水をためることができませんでした。しかし梅雨入りが迫っている事から、国交省の大分川ダム工事事務所は洪水調節のためにはダムの水位を下げる必要があるとして試験を中断し、今月16日から放水を始めました。安全性が確認されていない中、梅雨入りを迎えることについて、工事事務所は「監視態勢を強化して対応したい」としています。水をためる試験についてはことしの秋以降に再開する予定で、工事事務所では今年度中のダムの完成予定に変更はないと説明しています。
◆2019年5月22日 日本テレビ
http://www.news24.jp/nnn/news16451260.html
ー大分川ダム 試験湛水やり直しー
大分川ダムについて国交省は耐久性などの確認のために必要な水をためる試験を中断し秋以降にやり直すことにした。少雨で最高水位に達しないまま権雨時期が迫り,洪水調節のため一旦たまった水を放水する必要があるとの判断。
◆2019年5月22日 大分放送ニュース
http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=05220045194&day=20190522
ー大分川ダムで出水期を前に現地説明ー
来年春に完成予定の大分川ダムは雨の多い時期に備えて試験湛水を一旦中断し、ダムの水位を下げることになりました。
大分市下原の大分川ダムは下流域の洪水対策などを目的に総事業費およそ995億円をかけて整備されていて、来年3月に完成する予定です。22日は大分川ダムの洪水調節機能や水をためてダムの強度や安全性を調べる試験湛水の実施状況が報道機関に説明されました。大分川ダムでは最高水位まで水をためていく試験湛水を去年2月から開始し、今月中に終わらせる計画でした。しかし去年秋から冬に雨が少なく最高位まで水がたまりませんでした。九州地方整備局は雨が多くなる時期が近づきダムの水位を下げるため試験湛水を一旦中断し、今月16日から水を抜く作業に移りました。試験湛水は10月以降の再開となりますが完成時期に変更はないということです。大分川ダムでは大雨が降って水を放流する際、ホームページのほか、サイレンや電光掲示板で知らせることにしています。
◆2018年1月19日 西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/387493/
ー大分川ダム2月試験貯水 大分市、道の駅や広場整備へ 観光、地域の拠点に活用ー
大分川流域の洪水対策や大分市内の水道用水確保を目的とした国営大分川ダム(同市下原)は本体工事が終わり、2月下旬に試験的に貯水を始める。完成は2019年度末の予定。完成に合わせて、大分市はダム湖近くに「道の駅のつはる」(仮称)、山側に「のつはる天空広場」(仮称)を整備し、観光や地域の拠点として活用する。
同市によると、道の駅はダムに面した国道442号線沿いに約3億円かけて建設する。わらぶきの屋根に木造平屋で昔の農家をイメージした建物を計画。同市野津原地区の農産物を使ったレストランや直売所などを設け、建物のダム側の壁は全面ガラス張り、建物外にはウッドデッキの休憩スペースを設置して湖面が一望できるようにする。今年夏に着工し、来年夏の開業を予定している。
天空広場は、ダム本体に使われた土を採取した跡地に整備する。3万2千平方メートルの敷地に土や芝のグラウンド、屋外ステージをつくり、音楽や農業イベントに活用する。ダム完成の式典会場としても使用する予定で、19年度中に工事を始める。
ダムは岩石や土を積み上げる「ロックフィルダム」で、高さ約92メートル、総貯水容量は2400万立方メートル。1987年に事業着手し、総事業費は995億円。すでに本体工事は完了し、今後、約1年半かけて貯水と放水を行い本体の安全性を確かめる。このほか周辺の市道や林道の付け替えが進められている。
◆鹿島建設ホームページより「大分川ダム建設工事 湛水式」
https://www.kajima.co.jp/tech/civil_engineering/topics/180217.html
2018年2月17日、大分県で施工が進む大分川ダム建設工事において湛水式が行われ、発注者である国土交通省九州地方整備局関係者、地域関係者、工事関係者らが多数出席しました。式典に先立ち、ダム堤体左岸天端において鹿島JVが主催する神事が行われ、国土交通省九州地方整備局大分川ダム工事事務所・酒井所長、鹿島・田代副社長らが玉串を奉奠しました。続いて、大分市野津原公民館に場所を移して、国土交通省が主催する湛水式が行われました。湛水式では、大分県・広瀬知事や大分市・佐藤市長らの祝辞に続いて、湛水の儀が行われました。酒井所長の合図で田代副社長ら14名の参列者がゲート降下ボタンを押すと、仮排水トンネルを締め切るゲートが降下する様子がモニターに映し出され、会場は大きな拍手に包まれました。最後に大分県議会・井上議長の発声で万歳三唱が行われ、大分川ダム建設工事の最終工程となる湛水開始を祝いました。
大分川ダムは、大分県大分市に建設中の堤高91.6m、堤頂長400.0m、堤体積387万m3の中央コア型ロックフィルダムで、2013年から工事が行われています。2015年9月から開始された堤体盛立では、建設機械の自動化による次世代建設生産システム「A4CSEL®」の導入試験を行うなど、ICTを積極的に活用し、生産性向上を図りました。堤体盛立を2017年5月に完了し、いよいよ試験湛水が開始されました。試験湛水とは、本格的なダムの運用を始める前に実際に水を貯めて、ダム本体や放流設備の機能確認、基礎地盤や周辺地山等の安全性を検証するために行うものです。工期末は2019年3月です。
—転載終わり—
◆国土交通省九州地方整備局 大分川ダム工事事務所ホームページより、「大分川ダムの諸元」