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城原川ダム予定地住民ら、生活再建対策求め、要望書提出(佐賀新聞)

 城原川(じょうばるがわ)ダムは、国土交通省九州地方整備局が進める、長期化したダム事業の一つです。
 城原川ダムの予備調査は昭和46年度に始まり、事業着手は昭和54年度ということです。事業の大義名分は「洪水対策」ですが、何十年たっても本体工事に着手できないのですから、このダム事業も八ッ場ダムと同様、事業を継続して税金を使うこと自体が目的になっているように思われます。
 事業者の検証報告によれば、「建設事業着手からダム事業が完了するまで約 13 年間程度を要する」となっていますので、予定通りに行っても完成は2030年以降のことです。
 予定地の住民からすれば、移転を待ち続けるのは過酷なことだと思います。以下の記事では、地元の二つの住民団体に52世帯が所属しているとのことです。

◆2019年5月21日 佐賀新聞
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/377059
ー城原川ダム建設、生活再建対策を 予定地住民ら要望書ー

 城原川ダム(神埼市)建設予定地の住民らが21日、佐賀県庁と神埼市役所、国土交通省武雄河川事務所を訪れ、生活再建対策と現地調査の促進を求める要望書を提出した。「若者が流出し、高齢者ばかりで家も老朽化した。一日も早く残った者の生活再建を」と訴えた。

 要望書では、1971年の予備調査開始から48年が経過し、建設段階に移行したものの、詳細な生活再建計画の説明がないことを指摘した。城原川ダム対策委員会(31世帯、眞島修会長)と城原川ダム対策同盟(21世帯、實松英治会長)の連名で提出した。

 松本茂幸神埼市長は「皆さんと同じ立場にいる。一枚岩となって取り組む」と述べた。山口祥義知事も「寄り添って対応したい」と強調し、生活再建策の見通しの定期的な説明を担当部局に指示したと述べた。

 住民団体は2017年、国の現地調査が円滑に実施されるように協定を結び、受け入れ期限を来年3月までとしている。佐賀市の武雄河川事務所佐賀庁舎では、補償の対象になる土地や建物の調査に早期に着手することを求めた。

 30日に国へ政策提案をする県は、城原川ダムの予算確保や事業促進も要望する。