淀川水系・大戸川ダム計画、嘉田・前滋賀県知事の当選で逆風

 参院選の滋賀県選挙区で、野党統一候補の嘉田由紀子・前滋賀県知事が激戦を制して、当選しました。
 嘉田さんは淀川水系の滋賀県の知事として、多くのダム事業の見直し、命を守る治水対策に尽力しました。
 滋賀県では三日月大造・現滋賀県知事が大戸川ダム(事業主体:国土交通省近畿地方整備局)推進を目指す自民党の言いなりになっていますが、嘉田さんの当選は大戸川ダム計画を進めたい国土交通省にとって逆風となるとの見方がさっそく報道されています。
 大戸川ダムについては、かなりの費用を負担する京都府と大阪府が建設に同意しておらず、凍結のままになる可能性が高いと思われます。

◆2019年7月22日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47635210S9A720C1LKA000/
ー大戸川ダム計画に圧力 前滋賀知事・嘉田氏当選で

 21日投開票の参院選滋賀選挙区で前滋賀県知事の嘉田由紀子氏が当選したことは、大戸川ダム計画を進める国土交通省にプレッシャーとなりそうだ。

 嘉田氏はかねて同ダム計画に反対しており、容認姿勢を打ち出した三日月大造知事やダムの効果を検証する方針の吉村洋文・大阪府知事らを含む調整に同省は神経を使うことになる。

 大戸川ダムは2009年に策定された淀川水系河川整備計画で本体工事の着手について「実施時期を検討する」と明記され先送りされたが、10年を経たため同計画は改定時期を迎えている。

 懸案の桂川の治水対策は未着手事業もあるが、こうした事業も含めて計画に盛り込み、同ダムの本体着工時期を明示する可能性がある。

 嘉田氏は滋賀県知事時代からダムに頼らない洪水対策を進め、大戸川ダムは下流の淀川への治水効果は弱いとして建設に反対してきた。

 一方、国交省は同ダムで水没する道路の代替として「大津信楽線」の建設を滋賀県と共同で進めており、21年度に完成予定だ。

 嘉田氏の後継の三日月知事はダム容認に転じたが、脱ダム派議員の誕生は国交省にとって逆風になりそうだ。

◆2019年7月26日 中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20190726/CK2019072602000033.html
ー知事「嘉田さんに説明したい」 大戸川ダムの建設方針巡りー

 参院選滋賀選挙区で前知事の嘉田由紀子さん(69)が初当選したことを受け、三日月大造知事は二十五日、報道各社の取材に「県の方針を早く丁寧に説明したい」と述べ、嘉田さんと主張が異なる大戸(だいど)川ダム(大津市)の整備について理解を求める姿勢を示した。

 大戸川ダムは、嘉田さんが知事時代に近隣府県とともに事業主体の国に迫り、二〇〇九年に本体工事の建設を凍結させた。しかし、嘉田さんが後継指名した三日月知事は今年四月、全国で近年、豪雨災害が相次いでいることを受けて検証し、県の立場を建設推進に方針転換していた。

 三日月知事は「県の方針を早く丁寧に説明し、その上で嘉田さんのお考えを伺いたい」と述べた上で、「嘉田さん自身も、ダムが持つ洪水調節機能を否定していない。説明すれば、主張の違いを乗り越え、一致点を探ることができると思っている」と思いを語った。

 (成田嵩憲)