八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

石木ダムに疑問投げ掛け 元ラムサール条約事務局次長 予定地を視察

 世界の湿地の保全に取り組んできた、元ラムサール条約事務局次長のニック・デイビッドソン氏が石木ダムの建設予定地を視察したことが報道されています。
 ダム予定地の住民の生活権を脅かし、自然環境を破壊するダム建設は、「ほかのあらゆる可能性を考えたあとで最終的な選択肢であるべき」との氏の見解はその通りだと思います。わが国の河川行政がこうした見識をもっていたなら、八ッ場ダム事業も石木ダム事業もとうの昔に止まっていたでしょう。

 ニック・デビッドソン氏を日本へ招いたラムサール・ネットワーク日本(ラムネットJ)では、石木ダムに反対する意見書を発表しました。
 ★石木ダム建設事業の中止を求める意見書
 http://www.ramnet-j.org/2019/08/information/4297.html

◆2019年8月23日 長崎新聞
https://this.kiji.is/537440231431488609?c=39546741839462401
ー石木ダムに疑問投げ掛け 元ラムサール条約事務局次長 予定地を視察ー

 元ラムサール条約事務局次長のニック・デイビッドソン氏(66)は22日、県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの建設予定地を視察した。石木川の清流や周辺の棚田を見て回り、「なぜ、ここにダムを造る必要があるのか」と疑問を投げ掛けた。
 ラムサール条約は、国際的な湿地などの保全を目的としている。英国人のデイビッドソン氏は2000年から15年にわたり事務局次長を務めた。25日にラムサール・ネットワーク日本が東京で開くシンポジウムに出席するため来日した。
 デイビッドソン氏は、県石木ダム建設事務所(川棚町)を訪問。県の担当者から事業概要や建設目的などの説明を受けた。その後、建設予定地を訪れ、地域住民から話を聞いた。
 住民との意見交換では「世界中にダムはたくさんあるが、目的を達成できていないものも多い」と指摘。あくまでもダム建設は治水、利水の「最終手段」であることを強調した。その上で「1970年代の計画で今のニーズに合っているのか、本当にほかに方法はないのか、県には考えてほしい」と述べた。

◆2019年8月23日 テレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/20190823260600/
ーラムサール条約の元事務局次長が石木ダムを視察ー

 木ダムの建設予定地を訪れたのは、長年、湿地の保全活動に取り組んでいる、ニック・デイビッドソンラムサール条約元事務局次長です。

長崎県と佐世保市が計画している石木ダムをめぐっては、いまも建設に反対する地権者13世帯が暮らす中、ことし5月土地の強制収用を可能にする裁決が下され、家屋を除く土地を明け渡す期限は9月19日と迫っています。

ラムサール条約で守られる「湿地」には「川」や「水田」も含まれていて、ニック元事務局次長は地権者の話をききながらダムに沈む場所やその周辺を見てまわりました。

ラムサール条約 ニック・デイビッドソン 元事務局次長「ダムはいいアイデアではない多様性と自然によくないし、地元の人の生活が失われてしまう」「個人的な意見としてはダムはほかのあらゆる可能性を考えたあとで最終的な選択肢であるべき」

視察を終えた、ニック元事務局次長は反対地権者や支援者に、「ダムは本当に必要なのか」長崎県だけではなく、国や世界にもメッセージを届けて欲しいと話しました。