山梨県知事、堆砂進む雨畑ダム視察「日軽金を提訴も検討」 

 雨畑ダムは(株)日本軽金属が発電を目的として1967年から運用していますが、全国のダムの中で最も堆砂が深刻なダムの一つです。雨畑ダムは総貯水容量1365万㎥の9割以上が上流から流れ込む土砂で埋まり、堆砂によってダム湖上流でたびたび水害が起きています。
 今年8月には、国交省が日本軽金属に抜本的な対策を求める行政指導を行いましたが、対策はほとんど手つかずの状態です。
 昨日、山梨県の長崎知事が現地を視察したことをマスコミ各社が報道しています。長崎知事の現地視察は初めてだったのでしょうか? 記事によれば、知事はダム湖上流の住民の悲痛な声を聞き、堆砂のひどさに驚き、日本軽金属に対して厳しく批判したようです。「雨畑ダムの問題は山梨県だけでなく、日本全体の問題」と強調したということですから、国の後押しも求めているのでしょう。雨畑ダムの堆砂を解決する抜本的な対策はダム撤去です。

◆2019年11月27日 NHK甲府放送局
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20191127/1040008421.html
ー知事が雨畑ダム視察し住民と対話ー

 台風19号の影響で早川町の雨畑ダムの上流の川があふれるなどして浸水などの被害が出ていることを受けて、27日、長崎知事が現地を視察し住民と対話しました。
その上で、ダムを管理している企業に対し「最低限の責任を果たしてほしい」と述べ、改めて対応への不満を表明しました。

 記録的な大雨となった台風19号の影響で、東京のアルミニウム製造会社「日本軽金属」が管理する早川町の雨畑ダムでは、大量にたまった土砂の影響で上流の雨畑川があふれるなどして一部の地区で浸水や県道が崩れるなどの被害があり、生活に影響が出ました。
 この被害を受け、27日、長崎知事が雨畑ダムを訪れ、ダムにたまった土砂の堆積状況や雨畑ダム周辺の被害状況について県の担当者などから説明を受けました。
このあと、水があふれた影響で道路が寸断され、一時孤立状態となった本村地区の公民館を訪れ、およそ30人の住民と対話しました。
 この中で住民からは、水の流入を防ぐための堤防を作って欲しいとか土砂を早くどかしてほしいなどという意見が出ました。
長崎知事は「企業には最低限の責任を果たしていただきたい。また、監督権限のある国に対してはその監督権限をしっかりと行使していただきたい」と述べていました。
 雨畑ダムをめぐっては、県は台風19号で被害が出る前のことし8月、日本軽金属に行政指導を行うとともに、9月には指導監督する立場である国に対しても抜本的対策を速やかに実行するよう指導することなどを求めていました。

 対話を終えた長崎知事は「現在進行形で不安のある住民の方々と意見交換をさせてもらった。日本軽金属のスピード感についてははなはだ不満で、我々に責任ある説明もない。県道も損害を受けていて極端にいえば損害賠償を求める訴訟も手段のひとつとしてありうるくらいの状況だ」と話していました。

◆2019年11月27日 産経新聞
https://www.sankei.com/affairs/news/191127/afr1911270024-n1.html
ー山梨知事「日軽金を提訴も検討」 上流浸水の雨畑ダムを視察ー

 土砂の堆積率が9割を超え、上流沿岸が何度も浸水被害を受けている山梨県早川町の雨畑ダムについて、同県の長崎幸太郎知事は27日、設置者のアルミ圧延大手、日本軽金属(東京)に損害賠償を求めて提訴することも検討すると明らかにし、同社を厳しく批判した。

 雨畑ダムを視察後に記者団に語った。雨畑ダムは上流の川底が上がっているため大雨のたびに浸水が発生。台風19号でも浸水防止用の土堤防が壊れたほか、県道が崩落して一部地区で孤立状態が続いた。

 知事は「土砂堆積を抜本的に解決するよう国を通じて求めてきたが、日軽金がこれ以上、地元軽視の経営を続けるなら、県道などの損害賠償を求める訴訟もあり得る」とした。

 浸水被害を受けた本村地区の公民館で行われた対話集会では、住民から「高さ10メートルの堤防を造ってほしい」との要望が出たが、知事は、増水を前提とするのではなく、安全対策を取りながら日軽金に元の状態に戻させるとの立場を示した。

 雨畑ダムなど富士川水系の濁りは、静岡県の駿河湾産サクラエビの不漁と関係しているとの指摘もある。知事は「雨畑ダムの問題は山梨県だけでなく、日本全体の問題」と強調した。

◆2019年11月27日 日本テレビ
http://www.news24.jp/nnn/news16503883.html
ー雨畑ダム問題 知事が現地視察ー

 早川町の雨畑ダムに土砂が堆積し、浸水被害が発生している問題で長崎知事が初めて現地視察を行った。台風19号が接近した際にダムの水位が上昇し、県道崩落につながったとして長崎知事はダムの管理会社の提訴を検討する考えを示した。
 アルミニウムの総合メーカー日本軽金属が管理する雨畑ダムは土砂の堆積量が総貯水量の93%を占め、上流の雨畑川では河床が上昇し、浸水被害も出ている。こうした中、長崎知事は27日、現地を初めて視察し、早川町長から堆積土砂の状況などについて説明を受けた。この後、ダム上流に位置する本村地区で住民との意見交換会に臨み、災害につながることを懸念する住民に対し、改善に向け最大限取り組むことを約束した。
 視察を終えた長崎知事は台風19号の接近で水位が上昇し、雨畑地区の県道が崩落したとして、日本軽金属の提訴を検討する考えも示した。現地では、今月末までに集落に水が入り込まないようにする対策工事が行われる予定だが、台風19号の影響もあり、停滞しているという。

◆2019年11月28日 静岡新聞
https://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/709832.html
ー雨畑ダム堆砂不安 山梨知事視察、住民悲痛な声ー

 駿河湾産サクラエビの不漁をきっかけに注目される日本軽金属の雨畑ダム(山梨県早川町)で堆砂が深刻化し、上流集落が10月の台風19号で孤立した問題で、同県の長崎幸太郎知事は27日、現地を訪れて地元住民と懇談し、住民側からダム湖の9割以上が土砂で埋まる現状に悲痛な不安の声が相次いだ。

 現地視察は、日軽金が一部出資する採石業者のニッケイ工業による汚泥(ヘドロ)の大量不法投棄が、ダム下流の雨畑川で明らかになった6月に次いで2度目。今回初めて地元住民との直接対話の機会を持った。

 参加した住民は大半が高齢者で、「(住み慣れた)ここから逃げる心配をしなくてはならないのか」「川沿いに高さ10メートルの擁壁を造って」などの訴えが出た。被災後、今月下旬に電気が復旧したばかりの民家もあり、「(離れると)熊が家の中を荒らすので、やむを得ず住んでいる」と話す女性もいた。

 ダムを管理する日軽金は、国から抜本策を求める行政指導を受けながら対策は手付かず。長崎知事は「渓谷に全く似合わないネズミ色の土砂。対策は待ったなし。社会的責任を果たそうとしない日軽金に憤りを感じる」と語気を強めた。

 対話に先立ち知事は雨畑ダム湖にも足を運んだ。同行した辻一幸早川町長に「普段もこんな色なのか」と濁った湖水について質問。辻町長は「水は表面だけで中はヘドロ。昔はコイもワカサギもいたが皆いなくなった」と答えた。

 駿河湾や富士川本流では、濁りが生物に与える悪影響を危惧する声が高まっている。

◆2019年11月28日 毎日新聞山梨版
https://mainichi.jp/articles/20191128/ddl/k19/040/252000c
ー「問題の深刻さを痛感」 長崎知事、雨畑ダム視察 地区住民と意見交換 早川ー

 早川町の雨畑ダムで土砂が堆積(たいせき)し上流の雨畑川の河床が上昇している問題で、長崎幸太郎知事は27日、現地を視察し、浸水被害を受けた地区の住民と意見交換した。危険を感じながら生活する住民からは切実な声が上がった。【高田奈実】

 長崎知事は同町の辻一幸町長や県治水課長から説明を受けながら、雨畑ダムを確認し、「実際に立ってみると予想以上の堆積度合いだ」と感想を述べた。

 その後、浸水被害を受けた本村地区の公民館で住民約30人と意見交換した。住民の一人は「台風が来ると想像を超える水や土砂が流れてくる。高い堤防を造ってもらい、安心して住めるようにしてほしい」と要望した。別の住民は「(雨が降ると)逃げる心配をしなくてはいけない。知事や町長らが協力して(ダムから)土砂を出してほしい」と訴えた。(下略)