「最上小国川の清流を守る会」より、住民訴訟(控訴審)第1回口頭弁論についてのお知らせをいただきました。
最上小国川ダムは、山形県が清流を守ろうとダム建設に反対する漁協組合長を自死に追い詰めてまで強行してきたダム事業です。自然破壊を最小限にするという名目で「流水型ダム」(通常は水を貯めない穴あきダム)として建設中ですが、ダムの水を放流するための常用洪水吐きの吞み口は高さ 1.6m、幅 1.7mの二門であり、大きな洪水の時には流木や土砂などで詰まって、洪水調節機能が失われてしまう危険性があります。
(参照:「流水型ダムの問題点」嶋津暉之)
「最上小国川の清流を守る会」によれば、10月に東日本に襲来した台風19号による雨量と洪水量は、ダム計画の半分以下でしたが、大量の流木が洪水吐に詰まり、土砂がダム底にたまったとのことです。お送りいただいた写真も掲載させていただきます。
「最上小国川の清流を守る会」会報より転載
10月12日~13日の台風19号による豪雨で、東日本各地の河川が氾濫し、大きな被害が発生しました。山形県では、高畠町や川西町で最上川の逆流で支流が氾濫し、多くの住宅で浸水被害が発生しています。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を願うものです。
台風通過後の最上小国川ダム(建設中)の状況は写真のとおりです。この時の雨量と洪水量は、計画の半分以下でしたが、大量の流木が常用洪水吐に貯まり、土砂がダム底に堆積しました。
ダム建設前の最上小国川の濁水は、翌日までには清流に戻っていましたが、今回は二日間もダム下流に流れ続け、15日になってようやく元の清流状態に戻りました。
「私たちがダムができると濁りが増える」「流木と土砂で穴づまりが起こる危険がある」と指摘してきたことが実証される形になってしまいました。
常用洪水吐の流木と濁水 (最上小国川の清流を守る会撮影)
〇10月13日 午前10時
〇10月13日 午前6時 今回の豪雨で最高水位から少し低下した時点の撮影