山形県の最上小国川ダムでも試験湛水が始まったことが報道されています。
年間3万人もの釣り客が訪れる最上小国川では、清流を守ろうとダム建設反対の先頭に立って闘った漁協組合長が2014年に自死し、山形県が一気に事業を進めました。
建設に反対する住民らが山形県による公金支出の差し止めを求める住民訴訟は、山形地裁が今年7月に住民側の請求を退け、その後、住民側は仙台高裁に控訴しています。
◆2019年12月28日 河北新報
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201912/20191228_53002.html
ー山形・最上小国川ダムで試験湛水始まるー
山形県最上町の最上小国川ダムで27日、堤体工事の完了に伴う試験湛水(たんすい)が始まった。通常は川の水を通し、豪雨などで洪水の危険が生じた場合に水門を閉じる東北初の流水型ダムとなっている。
ダムは、下流の同町赤倉地区の水害対策を目的に県が2015年に着工。高さ41メートルの堤体は昨年11月に完成した。貯水量は210万トン。来年2月まで試験湛水を行う。
現地工事事務所であった式典で、高橋重美最上町長は「台風19号豪雨でも(未完成ながら)ダムの効果が発揮され、町内に大きな被害が出なかった」とあいさつした。
総事業費は88億3000万円で、来年7月に完成する予定。
◆2019年12月28日 朝日新聞山形版
https://digital.asahi.com/articles/ASMDW4S9SMDWUZHB00Q.html
ー最上小国川ダムで安全確認の試験 来夏に竣工式ー
山形県が建設した最上小国川ダム(最上町)で27日、水をためてダムの安全性を確認する試験湛水(たんすい)が始まった。来年2月末ごろまで漏水やひずみなどがないか点検した上で、来夏に竣工(しゅんこう)式を行う予定。
工事事務所であった湛水式には、県や工事関係者ら約40人が参加。最上町の高橋重美町長は「ダムを通じて地域の安心安全を担保し、ダムツーリズムなどにもつなげたい」と述べた。ダム下流の舟形町の森富広町長も「最上小国川は自然の恵みをもたらした一方で、洪水などの脅威をあたえる川でもあった。ダムにより新たな恵みを享受できる」などと話した。
県によると、ダム本体は幅143メートル、高さ41メートル。210万立方メートルの水をためられる。工事は2008年度から始まり、総事業費は約88億円。堤体下部に穴が開いた流水型ダムは東北では初めてで、洪水などの恐れがあるときだけゲートを閉める仕組みだという。
ダムを巡っては、建設に反対する住民らが、県による公金支出の差し止めを求める住民訴訟を起こしたが、山形地裁が7月に住民側の請求を退けた。その後、住民側は仙台高裁に控訴している。(鷲田智憲)