熊本県の川辺川ダム問題に長年取り組んできた福岡賢正・元毎日新聞記者による講演が熊本県人吉市で開催されたことが報道されています。
福岡氏の著書『国が川を壊す理由(わけ)―誰のための川辺川ダムか』(1996年)は、川辺川ダム事業の推進を食い止めるのに大きな力になったと言われます。講演会終了後には、川辺川を守る県民の会による福岡さんに感謝する会が開催されたとのことです。(参照:「川辺川を守る県民の会」ホームページ)
一昨年夏の西日本豪雨、昨年10月の台風19号豪雨では、各地の堤防が決壊し、多くの犠牲者が出ました。国は堤防の決壊を防ぐための堤防強化工法をすでに確立しながら、この工法を採用すると川辺川ダムは必要ないと訴えるダム反対運動にとって有利になるため、せっかくの堤防強化工法をお蔵入りにしてしまったまま、現在に至っています。
福岡賢正氏の講演は、2月29日に熊本市内でも開催されるとのことです。
http://kawabegawa.jp/2020/20200229FUKUOKASANKOENKAI.pdf
◆2020年1月13日 熊本日日新聞
https://kumanichi.com/feature/kawabegawa/1321215/
ー「耐越水堤防で安全守れる」 川辺川ダム反対派が集会ー
川辺川ダムの建設に反対する各市民団体は12日、熊本県人吉市城本町の東西コミュニティセンターで集会を開催。約90人が、意見を交換した。
集会では、毎日新聞の元記者で「国が川を壊す理由[わけ]」の著者、福岡賢正さん(58)=福岡県太宰府市=が講演。「大規模水害が相次ぐ中、限られた予算をどのインフラに投資するかが重要」と指摘。「国はこれまで優先すべきインフラに予算を付けてこなかった。越水しても決壊までの時間を延ばす耐越水堤防を造ることで、住民の安全を守ることは可能」と主張した。
パネルディスカッションでは「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」の中島康代表(79)=熊本市=が「球磨川を次世代に継承するには、現在ある市房ダムと瀬戸石ダムを撤去すべきだ」と話し、県立大の中島熙八郎名誉教授(72)=同市=は「ダム撤去は、川だけでなく海岸の環境改善にもつながる」と話した。(小山智史)