長崎県が強行している石木ダム事業に反対する運動が粘り強く続けられています。
反対運動の街頭での活動を伝える記事を紹介します。
街頭アンケートでは、石木ダムは「不要」との回答が圧倒的に多かったようです。石木ダムに反対する長崎の「市民の会」は、来月以降も街頭活動を毎月行うそうです。
◆2020年1月20日 朝日新聞長崎版
https://www.asahi.com/articles/ASN1M3SSQN1MTOLB002.html
ー石木ダム伝える街頭活動 反対する団体、長崎市でー
長崎県と佐世保市が川棚町で建設を進める石木ダムに反対する「石木川の清流とホタルを守る市民の会」が19日、長崎市浜町のアーケードでシール投票や署名活動を行った。事業に関心をもってもらおうと通行人らに呼びかけた。
ダムの水没予定地である川棚町川原(こうばる)地区は昨年11月に土地の明け渡し期限を迎え、県は家屋撤去などの行政代執行(強制収用)が可能になった。しかし、住民は立ち退きを拒んでいる。
シール投票は、石木ダムについて「必要」「不要」「どちらともいえない」の3択で実施。約1時間半の活動の結果、「必要」が4人、「不要」が282人、「どちらともいえない」が8人だった。同会代表世話人の西中須盈(みつる)さん(79)は、「シール投票は初めて実施したが、予想以上に市民の関心があると感じた。石木ダムについて知らない人にも、問題について知ってもらうきっかけになればいい」と話した。
来月以降も毎月街頭活動をする。集めた署名やシール投票の結果は、今年度末に中村法道知事に提出する予定という。(田中瞳子)
◆2020年1月20日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20200120/ddl/k42/040/131000c
ー石木ダム 反対の市民団体が街頭宣伝、アンケートなど実施 長崎・浜町アーケード ー
県と佐世保市が川棚町に建設を進める石木ダム事業を巡り、建設に反対する市民団体「石木川の清流とホタルを守る市民の会」は19日、長崎市の浜町アーケードでダム予定地の写真展示や、石木ダムへの認知度調査を実施した。
同会は今年活動10年目を迎える。昨年、13世帯が住む事業用地の強制収用手続きが完了したが、住民は住み続ける意向を示す。同会は「佐世保市と川棚町だけでなく県全体の課題だが、関心が薄い」(西中須盈(みつる)共同代表)と、県都での事業認知度を調べ今後の運動に生かしていこうと企画した。
街頭アンケートは▽必要4▽不要282▽どちらでもない8――という結果に。同会は3月まで毎月同アンケートなどを重ね、今後の事業について県に提言する予定。【浅野翔太郎】
◆2020年1月19日 ハーバー・ビジネス・オンライン
https://www.excite.co.jp/news/article/Harbor_business_211006/
ー「ダム最優先・堤防強化二の次」の治水政策で強行される、石木ダム建設ー
◆治水と利水の両面で、石木ダムは不要
安倍政権(首相)は「建設業界第一・国民二の次」の土建政治に邁進しているのではないか? と実感したのは、昨年11月17日のこと。石木ダム予定地の長崎県川棚町で開催された全国集会で、ダム問題に取組む「水源開発問題連絡会(水源連)」の嶋津暉之共同代表の講演を聞いた時のことだ。
嶋津氏は「石木ダムの治水効果が及ぶのは流域の1割以下にすぎず、利水も人口減で需要減少であることから『治水と利水の両面でダムは不要』」と断言。同時に、ダム建設効果が及ばない水害危険地区をピックアップして、堤防嵩上げなどの緊急対策を実施すべきと訴えた。
「大雨が降れば、石木ダムがあっても氾濫をする。流域住民の生命と財産を本当に守ることができる事業が求められている。石木ダムを作っている場合ではない」(嶋津氏)
効果が極めて限定的なダム建設を優先し、9割以上の流域住民の生命財産を守る堤防強化などの緊急対策が二の次になっているというのだ。
しかし安倍政権の閣僚の見方はまったく違う。9月の新内閣発足で地方創生大臣となった北村誠吾衆院議員(長崎4区)は、「みんなが困らないように生活するためには、誰かが犠牲(になり)、協力して役に立つという精神で世の中は成り立っている」と会見で発言。立ち退きに応じないダム反対派の地権者が「犠牲になるべき」と訴えていた。
「国民の生命財産を守る」が口癖の安倍首相だが、実際は「自民党応援団の建設業界の利益最優先・国民の安全は二の次」が実態といえるのだ。(以下略)