日本経済新聞が八ッ場ダム完成後に運航されることになっている水陸両用バスに注目した記事を掲載しています。
国(建設省→国土交通省)と群馬県は、八ッ場ダムに反対する水没住民を説得するために、「ダム湖観光」による地域振興を何十年も前からアピールし、ダム予定地住民を湯西川ダムや宮ヶ瀬ダムなど、先に完成したダム湖に案内してきました。
水質、地質ともに特異な吾妻川の中流域にできるダム湖は、果たして持続可能な地域経済の核になり得るのでしょうか?
◆2020年1月23日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54756980T20C20A1L60000/
ー八ツ場ダム湖ツアー、4月にも開始 水陸両用車を使用ー
八ツ場ダム(群馬県長野原町)の整備に伴ってできた湖で、水陸両用車を使った観光ツアーが4月にも始まる見通しだ。車両は同町のマスコットキャラクターなどをあしらったデザインを採用。家族連れなどの観光客を呼び込んでいく。
水陸両用車は全長約12メートルで、乗客定員は40人。車体デザインは赤色を基調とし、同町のキャラ「にゃがのはら」のほか、「湯かけ祭り」など地元イベントを描く。
運行は湯西川ダム湖(栃木県日光市)などで水陸両用車ツアーを実施しているNPO法人の日本水陸両用車協会(東京・港)が担当する。
ツアーは陸路と水路を合わせて80分程度を想定。料金は検討中だ。水陸両用車を使ったツアーは11月ごろまで実施。冬季は観光船を使ってツアーする。
八ツ場ダム周辺では現在もインフラ関係の工事が進められているが、資材調達難などから一部で工期が遅れている。水陸両用車のツアー開始時期も影響を受ける可能性があるが、地元関係者はゴールデンウイーク前には開始したいとしている。
—転載終わり—
ダム完成後の八ッ場ダム貯水池は、失われた自然などの観光資源を埋め合わせる「ダム湖観光」が期待されているのですが、八ッ場ダムは水質や地質に特徴のある吾妻川の中流域に位置していることから、他のダム湖とは異なる多くの問題があります。
明日の高崎での集会では、ダム湖の水質などの問題について、詳しく解説します。
(右のチラシをクリックすると、拡大表示されます。)
現在、八ッ場ダムの貯水池は試験湛水のため、昨年12月12日から最低水位(536.3㍍)となっています。
台風直後は茶色に濁っていたダム湖の水は、次第に緑色に変化してきました。水没地の橋や樹木が再び水面上に姿を見せ、丸岩大橋(湖面橋)より上流側では湖の姿は消えています。水位が下がると、橋や樹木が水陸両用バスの運行の妨げになりそうですが、八ッ場ダムは7月1日から10月5日までは洪水に備えて満水位(標高583㍍)から水位を28~47㍍下げることになっています。
★八ッ場ダム水面利用協議会における国交省の説明資料
写真=八ッ場大橋(湖面橋)から上流側を望む。