不要なダム事業が科学を無視して推し進められることに異議を唱えてきた「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は、さる3月2日、長崎県佐世保市の石木ダムの「再評価」に関して、二度目の意見書を佐世保市水道局に提出しました。
科学者の会の意見書は以下のページに掲載されています。
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2020/03/0b15a96c432ae02cc93765febb40e292.pdf
石木ダム事業はダム予定地住民の粘り強い反対運動が続いて工事が進まず、工期を2022年度から2025年度へ、9度目の計画変更を行うことになりました。これに伴い、佐世保市は国から補助金を受けるために、水需要の面で本当にダムが必要かどうかを「再評価」しなければならなくなり、今年1月から市の上下水道事業経営検討委員会で審議を行ってきましたが、2月28日に事業継続を認める答申が出されました。
「ダム検証のあり方を問う科学者の会」のメンバーで、意見書を提出した嶋津暉之さんからの報告は以下のとおりです。
「佐世保市の今回の再評価の内容は、石木ダム推進のためには何でもありの本当にひどいものです。水需要予測のでたらめさはこれまでもお伝えしてきましたが、費用便益比の計算も現実とまったく遊離した架空のものでした。
今回の計算では石木ダム推進で佐世保市は費用の5.32倍の便益が得られることになっていますが、その計算は石木ダムがなければ、ほぼ毎日給水制限が実施され、それによって毎年毎年数百億円の経済被害が発生するという、ありえない想定を前提としたものです。」
3月1日に佐世保市で開かれた集会で配布された嶋津さん作成の資料は、以下のページに掲載されています。
科学者の会の意見書とともに、これらの資料を見ると、ダム事業を無理やり推進するために、事実が捻じ曲げられていること、このまま石木ダムを建設すれば将来世代にとって大きな負の遺産になってしまうことがよくわかります。ぜひ、ご活用ください。